今回は「パッティングでの余計な力」というお話をさせていただきます。
パッティングでグリップを握る力が強すぎることは、ほとんどのゴルファーに共通して見られる問題点のひとつとなっています。
そして。。。
(続きはビデオにて)
■グリッププレッシャーが変化すると
そして、ストローク中にグリッププレッシャーが変化して、不意にフェースの向きが変化してしまっています。
グリッププレッシャーが変化すると、フェースの向きが変わることは案外認識されていませんが、例えば右手のグリップを段々きつく握るとフェースは左を向いてきます。
特にダウンスイングでボールを打ちにいこうとして右手が出しゃばるとフェースは閉じる方向に傾きボールは左に飛び出してしまいます。
これは、まさに一番嫌われる引っ掛けです。
パターでは打ち出されるボールの方向は、ボールヒットでのフェースの向きに90%程度依存します。
そのためフェースが閉じると、絶対に決めたいショートパットで左に引っ掛けて1mにも満たない距離で外してしまう悲しい出来事となります。
さらに打ちにいこうとすると、頭が振り出し方向へ突っ込む動きにもなり、ますますフェースが左を向いてしまって引っ掛けとなります。
これらの打ちにいこうとすることを封じるためにも、グリップはパターの動きを支えるギリギリの力で保持して、グリッププレッシャーをできるだけ変化させないようにしましょう。
しかし、その他にも力が入っていることで、余計なコントロールをしなければならない状況に立たされている余計な力は多いです。
その代表的なパッティングでの無駄な力は次の3つです。
(1)肩に力みがある
(2)親指側に折る力を入れすぎ
(3)手元を真ん中に持ってこようとする力が入っている
パッティングでの打ち出し方向はボールヒットでのフェースの向きに9割程度依存するので、ヘッドはできるだけ真っ直ぐに動いたほうが簡単に方向性精度が良くなります。
ところが、胸から上などをターンさせてストロークするとヘッドは円軌道に近くなり、バックストロークではインサイドに入りダウンでもインに戻ってきます。
さらに、胸の後ろ側の胸椎は自然後弯で曲がっているのが正常ですから、胸椎のどの骨をどれだけ捻るかで肩の向きは変化してしまいます。
そうすると、フェースの向きはストローク中に常に変化してしまい、打ち出したい方向にきっちり向けてストロークすることはかなり難しいことになります。
そこで、脚はもちろんとしても腰から首の付け根までの体幹を固めておいて、体幹の上を肩甲骨をスライドさせるようにします。
動きのイメージは単純でバックストロークでは右肩を真上にあげ、ダウンでは左肩を真上にあげようとすれば良いです。
グリップをきつく握って強めの左右往復素振りを行う中で、ヘッドの残像ができるだけ直線を描くように肩甲骨をスライドさせてみるとスライドさせるべき方向がわかります。
ところが、肩甲骨のスライドでヘッドを真っ直ぐに動かそうとした場合に、両肩に力が入っていると肩甲骨は滑らかにスライドしてくれずギクシャクしてしまいます。
それでは、フェースの向きもあっちこっち向いて、打ち出すボールは安定して方向を保つことはできません。
その諸悪の根源として(1)の肩に力みがあることであり、さらに(2)の親指側に折る力を入れすぎることや(3)の手元を真ん中に持ってこようとする力が入っていることです。
(2)の親指側に折る力を入れすぎることは、ボールを捕まえようとしてトウ側を浮かせる感じでフェースを少し左に向けようとすることが原因となります。
パターのヘッドには芝に沈んだボールを一旦浮かせてから転がすために、4〜1度のロフトがあります。
そうすると手元を下にさげるほど、ロフトでフェースは左を向くのでその分ボールは捕まります。
ただし、最近のフェースの向きが変化しにくい慣性モーメントの大きなヘッドでは、色々な意味でボールを捕まえる打ち方にはマッチしていません。
しかし、昔使っていた軽いヘッドからの習慣で、ついついハンドダウンで手元をさげて親指側に折る力を入れすぎている場合は多いです。
■パターは体の真ん中で構えるの誤解
また、パターは体の真ん中で構えることが自然だと信じていませんか。
実はこれは誤解です。
パターを真ん中で構えると、左手首が甲側へ折れる形となります。
そうすると、左手首に力が入るとともにボールヒット直前で左手首の甲側へ折りやすいので、それがパンチとなります。
パンチは、手の職人的な微妙な感覚でボールを絶妙に操るためには有効な動きですが、多くの練習を積まなければならない難しい動きです。
そして、体の真ん中で構えるために(3)の手元を真ん中に持ってこようとする力が入ることとなります。
親指側に折る力や左手首を甲側へ折る力が入ると前腕に余計な力を入れることになり、前腕の悪い影響は肩甲骨まで動きにくくしてしまいます。
そうなると、ヘッドを真っ直ぐに動かすべき肩甲骨が上手くスライドできずギクシャクしてフェースの向きが揺らぐことになります。
■グリップをきつく握る作戦もなくはない
グリップをきつく握る作戦もないわけではありません。
ツアープレーヤーの青木功さんやアーノルド・パーマーさんは、グリップを指が白くなるぐらいきつく握ります。
それはそれでグリッププレッシャーが変化しないという点では、良い作戦です。
一般的にはグリーンの外からなど芝が絡むとかヘッドの芯に当たらないなどのことがない限り、グリップはソフトのほうがストローク中にグリッププレッシャーは変わりにくいです。
■ダウンストロークでの思いもよらない力
また、ダウンスイングではフェースを打ち出し方向へ向ける力も必要ですが、これはヘッドの重心の関係でいたしかたない力です。
通用のパターではシャフトを水平にして手の上でパターを支えると、フェースは上を向きます。
これは、ヘッドの重心の前側にシャフトがあるからです。
余談ですが、私が大好きなバイオメック アキュロック・エース(BioMech AccuLock ACE)パターではその逆で、フェースが下を向きます。
そのため、アキュロック・エースでは、ダウンストロークでフェースを振り出し方向へ向ける力をコントロールする必要がありません。
必要な力は少ないほど、さらに必要のない力は入れていないほど、コントロールする必要がない分だけ簡単な動きにできます。
理想的には、ダラリと力を抜いてパターが落ちないギリギリの力を受けてそれを支える程度の力で構えたいものです。
そうすれば、あとは肩甲骨をスライドさせることでヘッドを真っ直ぐに動かそうとしながら、ヘッドが置いていかれない程度の力を出せばシンプルなストローク動作となります。
■ショットもパッティングも同じ
昔、何度かツアープレーヤーだった小針春芳さんとラウンドさせてもらったことがありました。
小針さんはドライバーショットもパッティングで作ったとおっしゃっていたことが、今でも私の脳裏に張り付いています。
聞いた最初の頃は、まさかそんなはずはないと思っていました。
小針大先生に対して、本当に失礼な気持ちを持っていたなと反省しています。
やっと最近になって、私自身も小針さんのおっしゃっていたことがわかってきた気がします。
コーチングをさせていただいていて気づいたことですが、通常クラブでのセットアップとパッティングでのセットアップの形が基本的に酷似しているからです。
手元が真ん中寄りで左手首の甲側に折れる力を入れすぎていたり、ハンドダウンすぎていたり、両肩に力が入っているなど多くの問題は共通して現れています。
と言うことは、動きとしては寄りシンプルで簡単なパッティングから正しい構えと「脱・力み」をきっちり行えば、ドライバーショットまで良くなります。
まずは、パッティングで自然な余計な力が入っていない良い構えを目指して、知らないうちにドライバーショットでもボールが素直に遠くまで飛ぶようにしましょう。
では、また。
