まず、最初にあなたに質問です。
左手の親指のポジションが1mmずれたら、200yの飛距離でターゲットから何ヤード外れることになるでしょうか。
グリップの親指、たった1mmだけです。その答えは。。。?
◆左手親指のズレ、1mmずれたら…
ゴルフはつい、ボールを遠くまで飛ばすことばかり考えてしまうものです。
しかし、ゴルフの本質は自分の能力に合った戦略を練って、その戦略に沿って狙ったところにボールを
できるだけ正確に運ぶことなのに、それを忘れがちではないでしょうか。
そして、その精度の具体的指標として、なんとグリップのセットアップでのズレは1mm前後という数値が見えてきます。
左手の親指のポジションが1mmずれたら、200y飛ばすとしたら曲がりも含めるとボールは30y近くターゲット方向から外れます。
「え、ほんと?」と思うぐらい大きな数字に思えるかもしれませんね。これより、その内訳を見てみましょう。
グリップの円周はグリップの種類やテープの巻き方で違いはあるとしても55mm前後なので、グリップの上で1mmの違いは角度で言うなら約6.5度です。
360度 / 55 = 約6.5度
ドライバーだとボールヒットでのフェースの向きに80%程度依存して、ボールの飛び出し方向が決まります。
これだけ飛び出し角度が狂ったとしたら、出球方向だけでも200y先では約22yズレます。
200y x tan(6.5度) =200y x 0.11 = 約22y
実は飛び出し角度以外にも軌道に対してのフェースの向きのズレでボールは曲がりますから、曲がりも含めたボールの到達地点の狂いはもっと大きな数字になります。
これらのことからも、グリップ上での左手親指1mmのズレによるフェースの向きの変化である約6.5度が、いかに大きな数字であるかが分かります。
また、マーク・ブロディ氏の統計によると平均スコアが100の場合、150〜200yのショットではショットの半分が収まる範囲は打とうとしている距離の18%となっています。
もっと分かりやすく言うなら、200yではショットの半分が
200×18%で36y以上ズレることになります。
◆左手親指のポジションの確認
そこで、左手親指のポジションを確認してみましょう。
左手の親指の内側のラインをグリップの真ん中のラインである稜線にきっちり合わせてグリップの上に置きます。
そこから、その親指の付け根の横側に人差し指の付け根の横側が密着するまで、左腕前腕を右に捻るようにして左手の甲を親指の方向に寄せてきます。
そうすると、自分から見て左手の薬指の付け根である3つめのナックルがしっかり見えて左手のグリップは正しい向きになっています。
この左手親指のポジションを正しく安定させるだけで、スコアを改善する材料にもなりますからしっかり意識しましょう。
◆レベルと精度
ちなみに、全米オープンではフェアウェイの落とし所の幅は、25~30yが基本です。
となると、フェアウェイに安定してボールを置くためには、センターを狙って左右10yの20yの幅に収めたいところです。
ミスしなかったと感じるプレーではショットで200y先でターゲットに対して約10y以内のブレに抑えるとか、1mのパッティングを確実に沈める感じでしょうか。
そして、そのための左右の方向精度は約3度が必要です。
参考までに、マーク・ブロディ氏の統計では、曲がりも含めた方向精度はレベル別で次のようになっています。
優れたツアープレーヤー 2.7度
精度の低いツアープレーヤー 4.4度
平均90のプレーヤー 6.5度
ちなみに3度の方向性のズレはtan(3度)=0.0524から計算すると、200y先では10.4yのターゲット方向からのズレ、1m先ではカップの半径5.4cm程度である5.2cmぐらいになります。
そして、ドライバーでの出球の方向はボールヒットでのフェースの向きに約80%依存します。
また、パターでは打ち出し方向はボールヒットでのフェースの向きに90%程度依存します。
ちなみに曲がりは、ショットではボールヒットでの軌道に対するフェースの向きでほぼ決まり、打点での曲がりも少しあります。
パッティングでは傾斜や芝目の影響での曲がりがほとんどで、軌道にはあまり依存しません。
これらのことからも、セットアップでのヘッドの向きはターゲットに対して3度以内は保ちたいものです。
◆大きく曲げるなら左手親指を調整
また、インテンショナルショットで意図的にボールを左右に曲げるときに、左手の親指の位置を少しずらすだけで曲がりをコントロールできます。
ターゲットの右に出てターゲットに戻る球筋であるプッシュ・フックを意図的に打つ場合を例として見てみましょう。
手の中でグリップを左に回しておいて
セットアップでヘッドをターゲットに向けると、
気持ち良く振れそうに感じるスタンスの向きは右を向きます。
その向いた方向へ新たにターゲットを決めて、その新しいターゲットに向かって真剣に振ります。
そして、フェースの向きは軌道の向きに引っ張られます。
そうすると、セットアップでヘッドをターゲットに向けていても、軌道がターゲットに対して右寄りならヘッドも右を向いてヒットしやすくなります。
結果として軌道に対してヘッドは左を向いていたとしても、ボールヒットでフェースはターゲットの右を向いていれば、右に出て左に曲がるショットとなります。
◆少し曲げるなら
そして、少しだけ曲げるなら、曲げたい方向の30yぐらい先の曲げたい側に大きな木とかがあるとイメージするだけで曲げることができます。
大きなものが邪魔になりそうだと、無意識の中でその反対方向へ打ち出そうとする動きが発生することでボールは曲がります。
右に出て左に曲がってターゲットに戻るドロー回転をかけたければ、30yぐらい先の左側に大きな木があることを強くイメージするだけで良いです。
この技はある程度スイングが正しく安定していないと使えなかったりしますが、練習場でやってみると案外できたりします。
◆ハザードに向かって打てば良い
ところで、半分冗談ですが、100切り前なら打ちたくないところにボールを運ぼうとすると、そこには絶対にいかないものです。
グリーン手前の深くて絶対入れたくないガードバンカーがあれば、それを狙って打ってそこに入ったらかなりの腕前です。
まさにその入れたくないバンカーにボールを運ぼうとしてみましょう。
また、右に池などがあって危なく感じて左を向くと、インテンショナルスライスのセットアップと同じになりやすくなります。
体の向きは左でも、セットアップでのヘッドの向きはターゲット方向であるフェアウェイ方向に向けやすいために思ったほど向いた左には向かないからです。
そうすると、飛び出したボールは、だんだん危ない右のハザード方向へ近づくことになります。
精神衛生的には、一旦ハザードに向かってとしてもだんだん離れる方向なら安心して見ていられます。
◆パッティングでのヘッドの向きの重要性
また、パッティングにおけるホールにボールを沈めるために必要な、ホールまでの距離に対するボール打ち出し方向精度を見てみましょう。
まずは真っ平らなグリーン面を想定した場合を計算してみます。
当然、傾斜がある場合はグリーンの読みも重要となり単純な計算にはなりませんが、とりあえず感じをつかむことは良いプレーのためには重要です。
実際には打ち出す強さや傾斜などでホールの入り口の実質的大きさは変化しますが、ボールセンターがホールの直径内なら入るとして計算してみます。
ホールの直径:10.8cm (5.4×2)ですから、ホールまでの距離に対する打ち出し精度は次のようになります。
1mなら3度程度、3mなら1度ぐらい、10mならなんと0.3度です。
1mでも3度ですが、この3度は案外小さな値です。
まずはセットアップでヘッドの向きを、この3度以内でセットできなければ話になりません。
入れごろ外しごろの3mなどでは1度の精度が必要なわけですから、ますますセットアップでのヘッドの向き合わせの重要性が感じられます。
たった3度程度の微妙な角度の違いが、ゴルフでは大きくスコアに影響します。
このことを肝に銘じて、セットアップを大切にして丁寧な構えを心がけたいものです。
