今回は「呼吸で飛ばすってどういうこと?」というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。
呼吸とお腹の膨らみの関係は、以前も何回かお伝えしています。
しかし、今回はまずは一般的な方法をお知らせしてから、本当にボールを極限まで遠くへ飛ばしたいときにやることをご紹介したいと思います。その方法とは?
◆腹圧を腹圧をあげる
説明の前にまず、呼吸というのは映像でもなかなかお伝えしにくい内容です。
ですが、お知らせしていることをゆっくりシャドースイングしながらやっていただけると理解が深まると思います。
ところで、腹圧をあげるとは、お腹の中の圧力を高めることです。
重いものを持ちあげるときどうしていますか。
息を止めてお腹の圧力を高めていませんか。
そんな不意にやっていることをスイングで意識的にやってみることで、極限までの飛距離をゲットしてましょう。
◆体幹の安定性
そこで、まずは腰から首の付け根である体幹について見てみます。
ダウンスイングで左脚で地面を蹴る瞬間に、体幹を固めるためにそれまで吐いていた息をフッと止めてさらに体幹を強固なものにします。
そうするだけで、ヘッドスピードは2m/sぐらいはアップしてボールが飛びます。
ヘッドスピードを5.55倍すると大体の飛距離となりますから、それだけけで10y以上は伸びることになります。
さらに、体幹が安定することでスイングの精度が高くなり、全てのショットで不意の曲がりが減るばかりか、ショートゲームでも良い結果がついてきます。
◆スイング中の呼吸
一般的にはスイング中は息を止めないで、吐き続けるとされています。
私も実際には息を止めるつもりはなく、吐き続ける意識でスイングしています。
そして、息を吐く動作を利用して、お腹の圧力を高めています。
そのやり方は2通りあります。
それは、息を吐きながらお腹を凹める方法と、逆に膨らませる方法です。
お腹を凹める場合、自然な呼吸でセットアップしてきて、その終盤で息を口から吐きながらお腹を目一杯凹めます。
お腹を凹めることでは、実は腹圧というよりも主には筋肉を締める力によって体幹を安定させています。
もう一つがお腹を膨らませる方法ですが、これは息を吐きながらお腹を膨らませてまさにお腹の中の圧力を高めて体幹を安定させることになります。
どちらかと言うと、お腹を凹める方法のほうが簡単ですので、まずはお腹を目一杯凹めてみましょう。
セットアップ終盤で、足踏みをして気持ち良く振れそうな足場を探しながら息を吐いてお腹を目一杯凹めれば良いです。
それによってバックスイング開から体幹は結構締まって、脚の動きで体幹をターンさせることでその先につながる腕が動いてヘッドまで連動します。
お腹を凹める方法に慣れてきたら、今度はお腹の下側を膨らませることをやってみましょう。
究極的にはお腹を膨らませる方法で、体幹を安定化できると良いです。
◆バックスイングでのコツ
このとき、普段のスイングで体幹を捻ることでバックスイングしてると、まったく動けないことに気づきます。
体幹を捻ると可動域の問題で捻りにくいものを捻ることになるばかりか、肩の向きも不意に複雑に変化してスイングは難しくなります。
本来は脚の動きだけでバックスインを開始してボールヒットまで脚を主体に動くことで体幹を安定させたまま使えば、スイングがシンプルでパワフルになります。
バックスイングでは右足母指球の少し後ろで地面を踏みながら、右膝を伸ばし右股関節も伸ばします。
右股関節は上半身の前傾角度を保つ程度には伸ばしきらないまま右脚を長くする動きで、右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込みます。
こうすれば、体幹は極限まで固めていても、楽に理想的な動きをすることができます。
そして、スタンスの幅をドライバーショットぐらい広くしていたなら、右脚を伸ばし切ると脚の動きだけで手元は胸の高さあたりまであがってきます。
さらに手元は体のターンで円軌道を描きながらインサイド寄りに動く中で、ヘッドを真っ直ぐ動かすことで手首が親指側へ折れるコックが入ります。
コックが入ることで、手元に対してヘッドはかなり高いポジションまで勢いよくあがってきてくれます。
動き始めたヘッドは、急には止まれません。
そのヘッドの勢いでクラブがトップに向かっている最中に、左サイドを低く落としてくるイメージで下半身を先行させてダウンスイングを開始します。
そして、グリップエンド側にぶら下がる感じで、体の左サイドに張りとしてのしなりをつくりましょう。
◆息の止め方
左サイドが落ちてくると、落ちてしまわないように左脚は本能で地面を支え始めます。
そのとき、左足が地面に着地して左股関節が曲げさせられはじめることで、左のお尻の大きな筋肉である大臀筋が伸ばされてきます。
その大臀筋の張りを感じた瞬間ぐらいに、左脚を蹴って左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込むようにします。
そうすると、腰を回そうとしなくても、腰のターンに連動して体幹も鋭く左にターンします。
このときに体幹をしっかり固めておいて、脚の動きで体幹全体がターンすることで左肩甲骨周りをしならせることが飛距離アップの要です。
そこで、ダウンスイングしてきて左脚への圧力が高まるあたりで、息をクッと止めて体幹をさらに強烈に固めます。
息を止め、左脚を目一杯蹴りながら両腿をキュッと締めることに意識を集中します。
体幹の急激なターンで脊髄反射が発生して肩甲骨周りが勝手にしなり戻ることでクラブが振られますから、上半身は体幹を固めることだけをがんばれば良いです。
◆ボールヒット後は
ボールヒットしてフォローに入ると、息は自然に吸う感じです。
フィニッシュしたら気持ちよく飛んでいくボールを眺めながら自然呼吸に入って、左脚一本に静かに立っていられたら最高のショットです。
◆ボールが飛ぶためには
体幹を固めることで体重を最大限に利用してエネルギーを途切れさせることなく100%使い切って、楽にしなり戻りを使ってボールを遠くまで飛ばしましょう。
体幹をしっかり固めて下半身のパワーが腰から上の体幹のターンに最高効率で伝わって、上半身をしならせることが肝です。
ボールを遠くまで飛ばしたり精度良くショットするためには、腕はリラクスさせる中で体幹はしっかり固めることが大切です。
下半身から指先までの連動性があって、パワーが途切れることなく繋がってヘッドに伝わるイメージのためにも呼吸で体幹を固めるようにしましょう。
◆背骨の構造
実際、お腹の後ろ側の腰椎は、ロックされるような構造で捻るべき部分ではありません。
腰椎は5本の骨でできていますが、その合計の捻転可動域は平均たったの5度です。
腰椎一本一本は、わずか1度程度しか捻れません。
しかし、背骨を捻ろうとすると、この可動域の少ない腰椎を捻ろうとするものです。
そうなると、捻れにくいものを捻る動きとなり苦しいばかりか、腰椎に過度な負担がかかり腰痛にもなります。
また、胸の後ろ側の胸椎は12本の骨でできていて、その合計の捻転可動域は平均で35度です。
胸椎はそこそこ捻れる構造ですが、自然後弯と言って前後にカーブを描いて曲がっています。
そのため12本の胸椎のどの部分がどれだけ捻れるかで肩の傾きは変化しますから、精度良く肩をターンさせるには不向きです。
ところが、肩甲骨は背中の上で浮いている骨で大きな筋肉がつながっているので、動かすにしても最適な方向へパワフルにスライドできます。
さらに、肩甲骨は多方向へ大きくスライドできるので、上半身のしなりの中心となります。
体幹をしっかり固めることで、背骨に無理な動きをさせない本来しならせるべき肩甲骨周りをしっかりしならせることができます。
◆脊髄反射
筋肉は素早く大きく伸ばされるほど、伸ばされた筋肉を縮めようとする機能がヒトには備わっています。
それは伸張反射と呼ばれる、筋肉と脊髄の間で交わされる信号によって行われ、脳は一切関わっていません。
筋肉が切れないようにする防衛反応や姿勢制御の補助反応となりますから、その応答速度は大脳を介する反応よりも高速で強く、能力の限界までのパワーを発揮できます。
この伸ばされた筋肉やさらに腱が関連する仕組み全体で大きなパワーを発揮できますが、その一連の仕組みを伸張短縮サイクルと言います。
自ら出そうと努力するよりも、倍以上のパワーを叩き出すことのできる仕組みが伸張短縮サイクルです。
体幹のターンを使って、肩甲骨周りをしならせることでこの伸張短縮サイクルが勝手に発生して大きなパワーを発揮できます。
上半身では体幹以外はリラックスさせて、しなりやすい状態にすることがこのヒトの素晴らしいパワー発揮の仕組みを最大限に利用できる要です。
◆フィニッシュは良いスイングの目安
そして、フィニッシュして、左脚一本で静かに立って自然呼吸できることは、しなりをうまく使って無理なくスイングできた証拠です。
右脚は右脚自身の重さを支える程度で、つま先を地面につけておく感じです。
右脚にそれ以上の重さが乗らないことは、しっかりターンできた証となります。
背骨を中心にターンすれば、背骨の前側の重い内臓はターンして向いた方向に移動します。
しっかり左にターンしておへそを振り出し方向へ向けることができたなら、体重はほとんど左脚に乗っています。
自ら出そうとする力でクラブを振り回していると、フィニッシュは乱れます。
良いフィニッシュの形と静かな呼吸が残れば、ゴルフの本当の楽しさも見えてきます。
では、また。
