サンド・ウェッジで15y程度キャリーさせるショット(SW15yC)を練習すれば、思った方向へ真っ直ぐに飛んで曲がらないライン出しショットが身につきます。
なぜ、そんなことが言えるのか?
そのメカニズムとは。。。?
◆SW15yCとライン出しの動きの関係
SW15yCはまさに腰から首の付け根までの体幹でショットしている感じで、それがまさにライン出しの動きです。
そして、いくら短い距離打つとしても、脚の動きで体幹をターンさせて肩甲骨をしならせます。
ここで、15yキャリーぐらいの動きの幅と速さでは、肩甲骨のしなり戻りがほとんどないままボールヒットしてフィニッシュします。
しなり戻らずまだしなったままボールヒットということは、筋肉が伸ばされて長さの変化がない状態です。
そのため、下半身の動きがヘッドにまで直接届きます。
◆しなり戻らない理由
サンド・ウェッジで30y以上キャリーさせるぐらいからは、自動的なしなり戻りが発生します。
しかし、15yキャリー程度だとしなり戻らないのは、運動生理学的な理由からです。
筋肉の中には長さに反応するセンサーが入っていて、筋肉が素早く大きく伸ばされるほど脊髄反射が強く発生して伸ばされた筋肉を縮めようとします。
これを「伸張反射」と言います。
ところが、15yキャリーさせる程度のしならせる速さでは、それほど速く大きく筋肉は伸ばされないため「伸張反射」は発生しますがほんのわずかです。
そのため、このしなりが戻り切らないままのショットを練習することで、体幹を使うことを覚えることができます。
さらに、フィニッシュしてもしなりが残っていることで、自ら出そうとする力でスイングしないでしならせてしなり戻りに任せる動きができたことが、自分でもすぐに判断できます。
◆ライン出しショット
ところで、ラウンドしていて右も左も危ない状況で使えるショットがあります。
それは、ライン出しショットです。
ライン出しとは、狙った方向へ精度良く飛んでいくボールを打つことです。
本来は、入れてはいけないハザードに向かって打ち出して、それから離れる方向へ意図的にボールを曲げます。
ところが、左右が危ないとなると、真っ直ぐ打つしかありません。
しかし、真っ直ぐに打とうとすることは、一番危険なショットです。
え、そんなバカなことはないだろうと思っていませんか。
ラウンドの戦略を考えていないと、頭を使ったプレーを組み立てることはできません。
まさに、耳と耳の間で行うというスコットランドの古いことわざがありますが、真っ直ぐに飛ばすことばかり考えていてはまさに頭が悪いプレーです。
なぜなら、真っ直ぐに打とうとすると、どっちに曲がるか分かりません。
いくらハザードの反対方向へ向かって打てば良いと思ってショットして、とりあえずハザードを避ける方向へ飛び出したとしても、ハザードに向かって曲がってきては危険です。
そして、意外と向いた反対方向へボールは曲がりやすいものす。
ボールの落ちぎわで安全な方向へ実に曲げることを考えることが、スコアアップにとっては大切です。
◆体幹を使えばライン出しができる
そして、ライン出しショットでは、上半身を出来るだけ動かしません。
それが、体幹を使って上半身の動きを少なくしてショットすることです。
15yキャリーぐらいの小さな振り幅のショットで体幹を使うことを経験すれば、振り幅をもっと大きくしても同じ感じを出せるようになります。
サンド・ウェッジで50y(SW50y)ぐらいまでのショットで体幹の感じが出てきたら、それと同じ振り幅でクラブを持ち替えてみましょう。
だいたい通常使う一番長いはずの6番アイアンまでやってみると、そのショットの特性が見えてきてラウンドで使えます。
◆普段は無駄な色々な動きをやっている
やはり上半身の中でも手は器用で、普段のショットでは思ってもいない色々な動きをやってしまっています。
案外複雑な動きを上手く調整して、ボールを真っ直ぐに打っているのが現実です。
そのために意図しないまま、右にも左にも曲がってしまいます。
そこで、普段色々やっている本来不要な動きに蓋をします。
そうすれば、ライン出しショットが打てます。
◆自ら力を出さない方が大きな力が出る
自ら力を出さない方が大きな力が出ますから、力で振ることを封印すれば単にライン出しだけではなく飛距離アップにもなります。
筋肉の使い方の違いで、伸ばされながら縮もうとすることを「伸張性収縮」、縮みながら収縮することを「短縮性収縮」と言います。
具体的な体の使い方でいうなら、受ける力で伸ばされながら耐えている状態が「伸張性収縮」、自ら出そうとする力で体を動かすのが「短縮性収縮」です。
そして、「伸張性収縮」の状態では「短縮性収縮」よりも2倍以上のパワーを発揮できます。
さらに、筋肉が伸ばされることでエネルギーが蓄積され、さらに強く速く伸ばされることで「伸張反射」が発生し、伸ばされながら縮もうとする「伸張性収縮」となります。
この「伸張反射」と「伸張性収縮」のダブルパンチで筋肉は単なる「短縮性収縮」で自らがんばって力を出そうとしているときよりも2倍以上の大きな力を発揮します。
上半身を自らは動かそうとしない動きは、なんだかクラブを振れない感じがすると思いますが、実はその逆でヘッドを走らせるために重要です。
◆ボールは向いた反対方向へ曲がりやすい
そして、向いた反対方向へボールは曲がりやすいものですが、その理由は簡単です。
まさにインテンショナルショットを考えると、理解できます。
打ち出し方向は、ボールヒットでのフェースの向きにかなり依存します。
ドライバーでは80%程度、アイアンなら75%ぐらいフェースの向きに依存してボールは飛び出します。
ボールはフェース面で潰れて、元の形に戻ろうとしながらフェース面を離れます。
そのため出球の方向は、フェースの向きに依存しやすくなっています。
ボールの曲がりは、ヘッドの軌道に対するフェースの向きにかなり依存します。
軌道に対して右向きでヒットすればスライス回転で右に曲がり、フェースが左を向いて当たればフック回転で左に曲がります。
打点でのギア効果などもボールの回転に影響して曲がりの要因となりますが、軌道に対するフェースの向きは曲がりを理解する基本です。
例えばしっかり曲げてターゲットの右に出てターゲットに戻る球筋であるプッシュ・フックを打つ場合。
手の中でグリップを左に回しておいてセットアップでヘッドをターゲットに向けると、気持ち良く振れそうに感じるスタンスの向きは右を向きます。
その向いた方向へ新たにターゲットを決めて、その新しいターゲットに向かって真剣に振ります。
そして、フェースの向きは軌道の向きに少し引っ張られます。
そうすると、セットアップでヘッドをターゲットに向けていても、軌道がターゲットに対して右向きならヘッドも右を向いてヒットしやすくなります。
結果として軌道に対してヘッドは左を向いていたとしても、ボールヒットでフェースはターゲットの右を向いていれば、右に出て左に曲がる球筋となります。
この左右を全部入れ替えれば、反対方向への球筋であるプル・スライスになります。
セットアップを変えるだけで、後はスイングはそのまま向いた方向へいつもと同じように動けば良いです。
そのため、案外100を切れていなくても、やってみるとできてしまうものです。
逆に、その簡単さが仇となってまさに右が危なくて左を向くと、インテンショナルスライスのセットアップと同じになりやすくなります。
そうすると、飛び出したボールは、だんだん危ないハザード方向へ近づくことになります。
このように向いた方向の反対に曲がりやすいのは、心理的な側面もプラスされるからです。
右が危ないと思って左を向いたとしても、セットアップでのフェースの向きはターゲット方向を向けやすいために、思ったほど向いた左には向かないものです。
そのため、まさにインテンショナルスライスの構えになる傾向となります。
◆ライン出しはしっかり体験練習しよう
左右が危ない状況以外でもハザードを正確に避けるためにもライン出しショットは使えますから、その特性を練習場で色々打って体験しておきましょう。
そのためにも、まずはSW15yCで正しい下半身の動きとしっかりした体幹でのスイングをつくり、
SW50yでしなり戻りに任せるだけに徹することで無駄な動きを削ぎ落とします。
SW50yの振り幅で6番アイアンぐらいまで練習すれば、ライン出しをいよいよラウンドで試すときとなります。
では、また。
