ボールヒットで飛ばなくなる間違った動き

こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は「ボールヒットで飛ばなくなる間違った動き」というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。

ボールを飛ばすためには、ボールヒットで静かな動きになります。「え、それは嘘でしょ」と言っている姿が目に浮かびます。
ボールヒットに向かっては、上半身は下半身の動きで目一杯しならせて、そのしなりがまさに戻りかけた辺りでヒットです。
ボールヒットではまだまだボールを強く押せる構えです。
リリースが進んでセットアップに近いもしくはさらにリリースしていては、ボールコントロールはおろか飛距離も出ません。

そこで、ボールコントロールや飛距離を落とす原因の中で、ボールヒットで行ってしまっている間違った動きの中の上位3つを見てみます。

(続きはビデオにて)

ボールヒットでの間違った動き・上位3つ
(1)右腕を伸ばす
(2)前腕を左に捻る
(3)上半身を左に捻る
 
(1)の右腕を伸ばすことと、
(2)の前腕を左に捻ることは共にクラブのリリースを早めてしまい、
ボールヒットに力を集めることができず飛ばなくなります。

(3)の上半身を左に捻ることは、同時に両腕を左に振るとか、
左肘を体の左方向へ振ろうとすることにつがなり、
さらに飛ばなくなります。

誰でもボールを飛ばしたいと思うと、ついつい上半身の捻りや腕でクラブを振り回そうとしてしまいます。
しかし、それでは意識的に脳の司令で筋肉を動かすことになります。
最高のパフォーマンスを発揮するためには脳の直接的司令で筋肉を縮めるのではなく、しなりと神経の反射を利用します。

体をしならせてしなり戻すことで、エネルギーをボールヒットに集めることができて爆発的なパワーをボールに伝えることができます。
しなり戻りでは脳からの指令ではなく、最高のパフォーマンスを出すための体の特別な反応が使われます。

体には「伸張短縮サイクル」と呼ばれる、パワーと正確性のためのしくみが隠されています。
このことについては、後で見てみることにしますが、「伸張短縮サイクル」では意識的に出そうとしたパワーの倍以上のパワーが発揮できます。
そのためクラブを振る動きに、しなりを入れなければボールは本来の能力の限界まで飛びません。
単に体が回転してヘッドをボールに当てようとするだけでは、たいして大きなエネルギーをボールヒットに集めることはできないからです。

さらには、ボールヒットではヘッドがまだまだ加速しているようにします。
加速していなければ当たり負けでフェースの向きが変化しやすいばかりか、ボール初速もあがらず飛ばなくなります。
ボールヒットの体勢としては、まだまだヘッドを強くボールを押せる形がボールを飛ばすためにはなくてはならない要です。

そのため、右腕が伸びた形でボールヒットしていては、
すでにリリースが終わってヘッドが減速しながらの
ボールヒットとなってしまいます。

そして、さらに悪いことに右腕を伸ばそうとして右肘が伸びてしまった形では、右腕が支えになりません。
何の支えかと言うと、それはテコの支点としての支えです。

ヘッドを走らせる本当のしくみはテコの動きです。
手首で振り回したり、腕を左に振ったり、体の回転でヘッドが走るわけではありません。
ここで、ボールヒットでのテコとはクラブをテコとして使い右腕を支点、グリップエンドを力点、ヘッドを作用点とすることです。
そして、体をしならせてそのしなり戻りでテコの力点を動かすことで、ヘッドが高速に動きます。
しなり戻りでテコを動かせば、最高のパフォーマンスが発揮できてボールが飛びます。
下半身の動きで左肩甲骨をスライドさせる形でしならせ、そのしなり戻りでテコを動かしてヘッドを加速してボールヒットです。

これならボールヒットでは体の動きはコンパクトで精度良く動く中で、ヘッドは加速しながらボールを打ち抜き飛距離が出ます。
そにためにも、右腕を伸ばしたり、前腕を左に捻るとか上半身を左に捻る動きは、徹底して排除しましょう。

ゴルフのスイングでは左肩甲骨の胸の方向へのスライドがしなりの要となります。
トップに向かう切り返しからボールヒット直前まで、左肩甲骨は胸の方向へ向かってスライドする形でエネルギーを溜め始めます。
その切り返しからダウンスインにおいてじっくりしならされてきた左肩甲骨が、ボールヒットに向かってしなり戻りとして背中側へ戻ります。
そして、左肩甲骨のしなり戻りで左腕が引っ張られてグリップエンドを引き上げます。

左肩甲骨周りは上半身でも最大級の筋肉がつながっていて、かなり多いな力を発揮できます。
それがいっきにしなり戻り、クラブのテコを動かすことでヘッドが走ります。

ここで、爆発的なパワーを発揮する「伸張短縮サイクル」を理解しておくと、ゴルフでも最高のパワーを発揮できるようになります。
意識的に出せる力には、脳のリミッターがかかっていて100%の筋力は出せません。
まさに、火事場の馬鹿力と言われるように、パニックになって脳が通常状態ではない状況になってはじめてすべての能力が発揮されます。
しかし、ヒトの体には脳のリミッターが影響しないしくみがあります。
それは「伸張短縮サイクル」です。

筋肉には長さに反応するセンサーが付いていて、筋肉が伸ばされるとセンサーが反応してその信号を脊髄に送ります。
脊髄では筋肉が切れるかもしれないための反応として伸ばされた筋肉に収縮を促す信号が発せられます。
そして、伸ばされる速さが速いほど脊髄からの反応も大きくなります。
ここには脳が介入しませんから、脳のリミッターもかかりません。
持っている能力の限界まで発揮されます。

筋肉が切れないように収縮すると、通常は筋肉は腱よりもやわらかいですが、腱よりも硬くなり腱を伸ばし始めます。
腱は筋肉と骨をつなぐ部分です。
通常は硬くて伸びにくい腱まで伸ばされると、かなり大きなエネルギーが蓄積されます。

のばされることでゴムのようにエネルギーが溜まると、当然縮もうとします。
そして、元々の筋肉を伸ばしていた力よりも筋肉と腱が縮もうとする力が臨界点を超えると、筋肉と腱は一気にしなりもどります。
これが、伸ばすことでじっくりエネルギーを溜めそれを一気に開放する形で勝手に収縮してエネルギーを集中的に放出する仕組みです。
この体の仕組みを「伸張短縮サイクル」と呼びます。

このように体を使うことで、本来の能力の限界まで発揮することができます。
それを、自ら意識で筋肉を縮めようとしていては、脳のリミッターがかかった状態の範囲でしか動けず、能力の半分ぐらい活用できません。

ボールヒットでは自ら動かそうとする体の動きとしては静かです。
弓を思い起こしてみましょう。
弓を射る瞬間、まさに静寂の中にあります。

それを、一生懸命にクラブを振らなければと思って上半身や腕でクラブを自ら力を出して振ろうとすると、正確性とパワーの両方を失います。

肩甲骨はものすごく大切な働きを行ってくれるのに、ほとんど忘れられています。
そのあげくの果てに、四十肩、五十肩と言われる肩甲骨を動かさなかったために発症する肩周辺の炎症や腱の断裂が発生することすらあります。
肩甲骨は上半身のなかでもかなり大きく強い筋肉で動かされています。
しかし、肩甲骨を動かそうとしないと、その代わりとしては肩甲骨の上に乗っている肩関節を代用するようになります。

ところが、肩関節を動かす筋肉の多くは小さくてか弱い筋肉です。
肩甲骨を動かしている強い筋肉の代わりに肩関節の弱い筋肉を使ってしまうと、その代償動作として使われた筋肉や腱のには過度な負担がかかります。

そうなると、程度によりますが筋肉に疲労が蓄積して硬くなったり、さらには腱が力の大きさに耐えきれず切れてしまうことにもなります。
これが、四十肩、五十肩の原因です。
そこまで病的にはならないとしても、肩甲骨は忘れ去られやすい骨です。

そして、肩甲骨が使われないために全身のパフォーマンスを出し切れなくなっているケースがあまりにも多いです。
是非、肩甲骨を意識してショットしてみましょう。
テーブルの端を手で持って、ゴルフスイングのイメージでボールヒットに向かって左脚を伸ばしながら体幹を左にターンさせようとしてみてください。
左腕が左肩甲骨を引っ張ってスライドさせる形で上半身のしなりがつくられることを強烈に実感できます。

では、また。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次