怪我が導いた左股関節の使い方

私の左股関節は、関節の深さが深いために骨が関節周りにぶつかって壊れていて、人工股関節への置換手術が必要と言われる状態です。

ですが逆にそのおかげで、股関節の負担を減らしながら大きなパワーを発揮させる体の使い方を身につけること出来ました。

 

一体、どういうことか?

 

◆今では温存したままゴルフが可能に

このことが発覚してから、筋肉のコリをほぐして関節を支える筋力をつけることで、10年近く温存したままゴルフができています。

そして、股関節への負担を減らしながら大きなパワーを発揮させる体の使い方を私の故障した股関節から学ぶことができました。

では、どんな動きなのか見てみましょう。

 

◆内転筋群

それは、インパクトに向かって腿の内側の筋肉群である内転筋群をキュッと締めることです。

太腿の骨である大腿骨は骨盤に対して横からついています。

 

さらに、大腿骨の骨盤に向かう側は丸くなっていて、股関節のくぼみにきれいにはまることで脚に発生する爆発的なパワーをしっかり受け止めることができます。

そのため、脚を縦に蹴るときに内転筋群をキュッと絞めて、大腿骨骨頭を股関節にしっかりはめて股関節を安定させます。

 

それによって、脚の縦方向のパワーを、地面に向かって100%伝えることができます。

特に日本女性の股関節のくぼみは浅い傾向があるので、よりいっそう内転筋群をキュッと締めなければずれやすく故障にもつながります。

 

しかし、多くの場合ダウンスイング開始からいきなり腰を回そうとして、右膝が体の正面方向を出る形の右膝外回りになって内転筋群はゆるゆるの状態で脚を使っています。

確かに脚を使えと言われてがんばって脚に意識を集めてスイングしようとして、腰を回そうとする気持ちはわかります。

しかし、脚は捻ったり後ろに蹴ろうとするのではなく、縦に使うことで大きな力を地面に対してうまく伝えることができます。

 

◆大臀筋

また、ゴルフのスイングではお尻の大きな筋肉である大臀筋をしっかり意識して使いましょう。

そもそも、脚の中でもどの筋肉を使うと大きなパワーを出せるのでしょうか。

 

それは、お尻の盛りあがりをつくっている下半身の中でも最大級の筋肉である大臀筋です。

大臀筋は、股関節を伸ばして脚を縦に使う方向へ動かす筋肉です。

そして、その構造は横に広がって短いことから、自ら出そうとする力である筋肉を短くしながら収縮させる「短縮性収縮」でも大きな力を発揮しやすくなっています。

 

そして、腿の前側の比較的大きな筋肉群である大腿四頭筋の働きで膝を伸ばしたり、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)などで足首を伸ばします。

しかし、大腿四頭筋や腓腹筋は縦長な構造です。

ということは自ら出そうとする力でのパワーは発揮しにくいことになります。

 

大腿四頭筋や腓腹筋は体の落下などによって引き伸ばすことで、脊髄反射で勝手に伸ばされながら収縮しようとする「伸張性収縮」状態で使うことで大きなパワーを発揮できます。

そして、大臀筋は「短縮性収縮」であっても、大腿四頭筋や腓腹筋のパワーに打ち勝ってさらに脚を伸ばすことができます。

このような理由で、お尻の筋肉をしっかり意識して使うことで、脚全体の筋肉群を最大限に発揮させて地面を蹴ることができます。

 

◆脚を正しく使えるための準備

そのためにも、セットアップから両膝をつま先より前に出さないようにしたいものです。

また、ダウンスイングで腰を回そうとして右膝を体の正面方向へ出すように外回りさせたりしないで、お尻と腿の内側を強く意識してスイングするようにしましょう。

そうすれば、自然に大きなパワーを限界まで使い切る脚の使い方になります。

 

小さな振り幅であるサンド・ウェッジで15y程度キャリーさせるショットであっても、フィニッシュしたら腰がフルターンしておへそがターゲットを向くようにしましょう。

このときに、両腿の間をキュッと締めておくことも忘れてはなりません。

 

◆落下での大きな力

階段を下るときでも着地する側の脚には体重の10倍ぐらいの衝撃力がかかって、体の落下を止める姿勢制御が働きます。

ゴルフスイングでスタンスの幅を肩幅ぐらいまで広げているなら、落下を支える左脚にはやはり体重の10倍ぐらいの力が瞬間的に発生します。

そのタイミングで上半身の重さを少しでも抜けば、その力はスイングパワーに回すことができます。

 

まさに、頭を振り出し後方へ落とせば、その分を支える必要がなくなって体重の10倍ぐらいのうちの2倍ぐらいの力が余り左脚は勝手に伸びて地面を蹴ってくれます。

そのときに、左サイドに大きなスペースを開けるイメージで、左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込む方向へ左脚を伸ばそうとすればよいです。

そして、腰の左ターンに連動して、左後ろポケットが向いた方向へ左脚をしっかり伸ばし続けるように強く意識しましょう。

そうすれば、インパクトに向かって腰はそれまでの前傾角度を保って鋭く左にターンします。

 

◆体幹は硬い一枚の板

また、腰から上の体幹をしっかり硬い一枚板にしておくことで、脚のパワーで左肩甲骨は胸の方向へスライドする形で急激にしなってその周りの筋肉は鋭く引き伸ばされます。

そうすると、伸ばされた筋肉では脊髄反射が発生します。

その結果、「伸張短縮サイクル」という筋肉と腱が伸ばされて元に戻ることで大きなパワーを発揮する仕組みで、クラブはまさに爆発的に振られます。

 

◆内転筋群にありがとう

このように爆発的なパワーを使いながらも私のような故障した股関節でも損傷の進行を最小限に抑えながら使い続けることができているのは、まさに内転筋群のおかげです。

内転筋群をしっかり締めながら力を受け止めているなら、股関節は大きな力の中でも安定して動くことができます。

それほど内転筋群は安全とパワーのために重要なことを、私自身ほんとうに身にしみて感じています。

 

◆できるだけ普段の生活での動きをゴルフでも

そして、筋肉は使わなければ衰えますが、普段の生活で使う筋肉の衰えは遅いものです。

それなら、できるだけ普段から使っている脚の使い方でゴルフをやりたいものです。

歩いたり、階段を昇り降りしたりするときに、脚はどんな動きを使っていますか。

捻ったりしません。

縦方向へ曲げ伸ばしする動きを使っています。

 

それならゴルフでも脚を曲げ伸ばしする動きでスイングすれば、筋肉の衰えの影響による飛距離への悪影響を最小限に抑えることができます。

また、全身の筋肉の中でも腿の内側である内転筋群が一番最初に衰えるとも言われます。

高齢になるほど歩くときにガニ股になるのは、内転筋群を使えていないからです。

 

そして、内転筋群が衰えると、お尻の大臀筋がパワーを発揮しにくくなってお尻の筋肉力も低下します。

そうやって下半身の筋肉群が衰えると、全身の中でも7割ぐらいとかなり多くの筋肉のある下半身の影響を上半身も受けて上半身も衰えます。

そんな、筋力低下に歯止めを打つためにも、ゴルフで右膝外回りを封印して内転筋群をしっかりキュッと締めましょう。

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