止まっているボールを打つことができるゴルフにとって、セットアップを改善することによるゴルフ上達への波及効果は絶大です。
私の経験からは、セットアップはスイングの問題の8割以上にも影響していると実感しています。
今回は、その中でも特に右腕の重要性について見てみましょう。
やることは、とっても単純で簡単です。
◆右腕はこうセットアップする
セットアップで右腕は、突っ張らないでゆったりさせます。
さらに、右肘の内側であるエクボは上を向けましょう。
これらのことを意識してセットするだけで、たくさんのご利益を得ることができます。
◆右腕をゆったりさせるメリット
まずは、右腕を突っ張らないでゆったりさせることで、両肩のラインをターゲットに対してスクエアにしやすくなります。
多くのケースではセットアップで右腕が突っ張っていて、右肩をボール方向へ出す形になって最悪のスイングの準備をしているような状態です。
インパクトではセットアップでの両肩のラインに沿って腕が振られやすいので、セットアップで両肩のラインが左を向いていたらカット軌道になりやすくなります。
そうすると、インパクトでのヘッドの向きの違いでスライスや左への引っ掛けのどちらにも曲がる可能性のあるスイングになります。
それを防ごうとして、手元は浮いているのにヘッドだけインサイドに入れようとするなどの、手の操作を激しく行う再現性の悪いスイングになります。
また、左手のグリップがウィークだとか、バックスイングで右肘を自ら出そうとする力で曲げたり、さらに手元が浮いているのにヘッドを垂れさせているとヘッドは開きます。
そして、軌道に対してヘッドが開いた状態でボールに向かうと、力でヘッドを閉じなければならなくなります。
また、ヘッドを閉じる動きは、右腕を伸ばして両腕前腕を左に捻る動きになります。
このようにインパクトに向かってヘッドを閉じやすくするために、セットアップでは右腕を伸ばす傾向になります。
そうやってスイングしていると常に右腕がシャシャリ出てきて、手でクラブを振るスイングを定着させることになります。
◆エクボを上に向けるメリット
また、セットアップで右肘のエクボを上に向けておくことで、上半身はしなりやすくなります。
多くのゴルファーではセットアップで右肘のエクボは左を向いています。
ボールを投げるときに手投げだと、ボールが手から離れるときの右肘の形をそのまま下におろしてくるとエクボは左を向いています。
体をしならせてそのしなり戻る瞬間に投げているなら、エクボは上を向きます。
ゴルフでも同じでインパクトに向かって右肘のエクボを上を向けていることで、手打ちではなく体のしなりを使ったスイングになります。
インパクトに向かってエクボが左を向くということは、右腕を伸ばしながら左に捻るアームローテーションを行っていることになり、まさに手打ちです。
そこで、まずはセットアップから体をしなりやすくしてしなりを使ってスイングできるための準備として、右肘エクボを上に向けましょう。
さらに、右腕が余計な動作をしなくなれば、右腕でボールを叩こうとしてボールヒットに向かって上半身が左に突っ込まなくなります。
そうすると、頭を振り出し後方へ押し込む正しい遠心力に対応する動きができることでボールは飛び、伸びあがりも防止できて打点も合いやすくなります。
セットアップでの右腕の正しいポジションに気をつけるだけで、スイングのこんなにも多くの重要な問題の解消に貢献できますから、ぜひ右腕を意識してみましょう。
◆右腕の上に左腕を見せる
セットアップで右腕をゆったりさせたり、エクボを上に向けるコツは、振り出し後方の人に右腕の上に左腕を見せるイメージにすることです。
実際にはそのように見えていなくても大丈夫ですが、そうしようとすることで効果を発揮します。
そして、右腕ではクラブを支えていないで、右手はあたかも左手に乗っかってぶらさがった感じにします。
◆そのとき左腕は
そうしたときの左腕はクラブと右腕の重さを吊るようにして、左肩の下に垂らします。
手元は左股関節前あたりに収まっていれば良いです。
左腕は遠心力で引っ張られたときに一番楽に耐えることができるのは、やっぱり左肩の真下である左股関節前あたりです。
セットアップから左手も左股関節前あたりにあれば、インパクトでもそこに収まりやすくなります。
◆エクボは上だけど右手は上から
ところで、右肘のエクボを上に向けようとすると、右手のグリップを下から入れやすくなります。
それはそうです、エクボを上に向けるためには右腕は右に捻っているわけですから。
しかし、右手をグリップに対して下から入れる右手がストロングな方向になっていると、インパクトに向かって右手首を左に捻ってヘッドを閉じる動きを誘発します。
そこで、エクボは上を向けたまま、手首の力を抜いて右手はグリップを上から被せるようにします。
シャフトをピストルのトリガーのイメージで右手の人差し指はシャフトの下にそっと当てがい、右手の親指はシャフトをまたぐようにして親指と人差し指の間を開けます。
ちなみに、左手の人差し指と親指でできるVの字が開いていると指の力でグリップを握ってしまうので、左手のVの字はしっかり閉じるようにします。
そうすることで、ソフトにグリップを支えるように持つことができます。
◆グリップの右手親指のところをチェック
ここでちょっとチェックしていただきたいことがあります。
グリップの右手親指のところに何らかの跡がついたり、削れていたりしませんか。
ひどい人だと下のシャフトが見えるまで削れている場合もあります。
この右手の親指のところに少しでも異変があるなら、それは右腕を左に捻ってヘッドを閉じる動作を行なっている証拠となります。
本来の正しく体のしなりを使ったスイングなら、グリップがツルツルになるまで使っていても右手親指の下にはきれいなままです。
今一度、グリップの上に残った痕跡をチェックしてみましょう。
たかがセットアップでの右腕のポジションひとつをとっても、こんなにも色々な問題との関連があることを分かっていただけたでしょうか。
しっかりチェックすれば、左右にボールが曲がったり左への大きく引っ掛けるスイングの根本原因のひとつをなくすことができて、楽しくラウンドできるようになります。
特にラウンド中に左へ引っ掛けたりしたときは、次のショットではセットアップで右腕のポジションをしっかり意識してみましょう。
そして、右手の人差し指と親指の間は開けて、シャフトをピストルのトリガーのイメージで右手の人差し指はシャフトの下にそっと乗せれば引っ掛けは防止できます。
