小さなショットはご利益満載

今回は「小さなショットはご利益満載」というお話をさせていただきます。
 

小さな振り幅のショットは、実はフルショットを練習するよりも素早く良い動きを身につけることができます。
そして、正しく動いた小さなショットで身につけた構えや動きは、スタンスの幅を変えることでドライバーショットまで有効です。どういうことか?

◆小さなショットのご利益

スタンスを広げることで下半身の可動域が増した分、振り幅が大きくなるだけでそのまま動きの基本は変わりません。
逆に言うなら、フルショットで必要な構えや動きと同じように、小さな振り幅の中でしっかり意識して取り組むことで素早く上達できます。

そんな、小さなショットのご利益をまとめて見てみることにしましょう。
以前にも今からお話しするご利益をお伝えしたことがありますが、もう一度確認してみます。
特に次の3つのことをぐんぐん改善することができます。
 
 (1)セットアップ
 (2)バックスイングの出だし
 (3)しならせる動き

◆セットアップの習得

基本的にセットアップは、小さな振り幅でもフルショットでも変わりはありません。
まずはなんと言っても、セットアップの問題を直すことができることは大きなメリットです。

セットアップはスイングの問題の80%以上を抱えていて、止まっているボールを打つゴルフにとってはかなり重要です。

◆バックスイングの出だしの動きの習得

そして、タイガーウッズ選手はバックスイングの出だしの1mを、ゆっくり低く真っ直ぐにヘッドを動かせると調子が良いと言っています。
それなら、ドライバーショットでなくても、小さな振り幅のショットで出だしを丁寧に練習すれば、ドライバーに変えたところでその効果は引き継がれます。
特に、ロフトが58度程度のサンド・ウェッジで15yぐらいキャリーさせるショット(SW15yC)は、バックスイングの動きの確認には最高です。

なぜならSW15yCのトップは、見て確認もできる手元が腰の高さ辺りになるからです。
特に、手首が親指側へ折れるコックはボールを楽に飛ばすための要ですが、
ドライバーで練習しなくても小さなショットでその入れはじめの基本を習得できます。

手元は体のターンで円軌道を描くことでインサイド寄りに入りながら、ヘッドは出だしの1mぐらいはできるだけ低く真っ直ぐに動かすだけでコックがちょうど良く入ります。
そのとき、フェースがボールを向いたまま動くようにすれば、前腕の無駄な動きである右に捻ってフェースを開く動きを封じることもできます。
コックは入れようとすると入れすぎたり不足したりしますが、この手元とヘッドの動きを意識するなら良いコックができます。

◆体をしならせる動きの習得

そしてもうひとつ、体をしならせる動きをいきなりフルショットでやろうとしても、なかなか上手くいかないものです。
なぜなら、フルショットではついつい自ら力を出そうとする腕の動きや、体幹の捻りで振りにいこうとしてしまうからです。

本来は体をしならせて、筋肉と腱を伸ばすことでじっくりとエネルギーを溜めて、それを一気に解放することでボールを精度良く遠くまで飛ばすことができます。
小さな振り幅のショットなら飛ばす必要はありませんから、フルショットでの自らがんばろうとする効率の悪い動作を封印した動きを覚えやすくなります。
こんなにもご利益がたくさんある小さな振り幅のショットですが、家の中や打ち放題などの練習場を見つけてがっちりやってみましょう。

◆筋肉が最大のパワーを発揮できる仕組み

筋肉は自ら力を出して縮みながら収縮しようとする「短縮性収縮」では、伸ばされながら収縮しようとする「伸張性収縮」の半分以下のパワーしか出せません。
しかも、筋肉が伸ばされると、その伸ばされている筋肉が収縮しようとする信号である「伸張反射」が脊髄からは発せられます。

そのため、体をしならせて筋肉が伸ばされるほど、意識していないでも勝手に筋肉は収縮しよとして力を発揮します。
これは、大脳からの信号ではないので自分自身ががんばっていると感じることができませんが、意識的に出そうとする力よりも大きな力を出せます。

まさに、しなりで筋肉が伸ばされよとしているときに、「伸張反射」が発生して「伸張性収縮」状態で能力の限界までのパワーが発揮されます。
自らがんばって力を出そうとするとする「短縮性収縮」よりも「伸張反射」+「伸張性収縮」のほうが大きなパワーが出るのですから、これは気持ちと裏腹です。
これは分かっていてもなかなか対応できないで、ついつい自ら出そうとする力でボールを飛ばそうとしてしまうものです。

◆飛ばさないことが重要

そして、ボールは飛ばしたほうが練習になると思っていませんか。
小さなショットでは、ボールを飛ばす能力を身につけることができない気がするものです。
しかし、実は逆です。

SW15yC練習として、スタンスの幅である両足の母指球の少し後ろの間隔を腰の幅程度のだいたい30cmに設定してその中で下半身を使い切ります。
しっかり下半身で上半身をしならせて、上半身では自らは力を出してクラブを振ろうとしないようにします。

そのときに、15y以上飛んでいたら、上半身を自ら力でリリースする動きを行っていることになります。
最大のパワーを発揮させる極意は、「伸張反射」+「伸張性収縮」でした。
自ら力を出そうとするのではなく、下半身の動きで上半身をしならせて待つ動きが、「伸張反射」+「伸張性収縮」でのスイングとなります。

そして、SW15yCがしならせる動きを身に付ける最高の練習となる、最大の理由があります。
それは、SW15yCぐらいの下半身の動きでの腰から首の付け根にかけての体幹のターンの速度は遅いため、「伸張反射」はほとんど発生しないことです。
「伸張反射」は、伸ばされる大きさが大きいほど、そして、その速度が速いほど大きく発生します。

それはそうで、筋肉が切れないための防衛反応だったり、姿勢制御の補助反応ですから。
SW15yCでは「伸張反射」が発生してもほんのわずかですから、本来はしならせた上半身はほとんどしなり戻らないままボールヒットしてフィニッシュを迎えます。
そのため、腰をフルターンしたSW15yCでフィニッシュして上半身の形を見れば、上半身をしならせてその状態を保てたのかどうかを確認することができます。

右肘が曲げさせられて、右手甲側へ折れるヒンジも曲がった形で右手の平が左45度程度を向いたフィニッシュであれば、自ら出そうとする力でリリースしなかった証拠となります。
これなら、誰でも一人で練習していてチェックできます。

そして、「伸張反射」はしなりで30y以上飛ばすぐらいから大きく発生しはじめて、50y飛ばす辺りではしっかりしなり戻るまで強く発生します。
これらのことから、SW15yCではしなり戻りを経験することはできませんが、それ以外の基本を徹底的に身に着けるには最適な練習です。

そして、サンド・ウェッジで50y程度飛ばすショット(SW50y)は、ドライバーショットに直結します。
ドライバーショットは、SW50yショットに対してスタンスの幅を広げてスイングの振り幅が大きくなります。
しかし、スイングの力感とかイメージは全く同じです。

SW15yCで基本的な問題をあらかたクリアーにしておいて、SW50yでじっくりしなり戻りのコツを掴めば、ドライバーは練習しなくても大丈夫です。
まさにドライバーショットは、スイングチェックと微調整目的でやってみれば良いだけです。
SW15yCとSW50yをたくさん練習しながら時々いきなりドライバーで3球程度フルショットするようなペースで練習すると、最も効率良く上達できます。

では、また。
 

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