こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は「スライスを1ヶ月で直す」というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。
スライスを1ヶ月で直すことを題材に、問題点を1ヶ月に1つ確実に改善するやり方を見てみましょう。
今からお伝えするやり方は、スライスだけではなく他の問題の修正にも適用できます。その方法とは?
(続きはビデオにて)
今から1ヶ月でスライスを出さないようにしたいと決めたら、スライスの原因の中からできるだけ根本的で、しかも1ヶ月で確実に改善できそうなことを一つだけ決めます。
その他のスライスの原因となる問題は、リストアップだけやっておきます。
例えばグリップなら正しい知識とやる気があれば1ヶ月以内には確実に直せますから、グリップを正しくすることを1ヶ月の目標に設定します。
他にスライスしている問題として、バックスイングでフェースを開きながらあげているとか、トップから打ちに行っているなどの問題もリストアップはしておきます。
3〜5つのチェックポイントを用意しておいて、スイングするときにそのうちの一つだけ意識して行うようにします。
ただし、セットアップに関係することは同時にたくさんチェックしても問題ありません。
そして、スイング中は考えるとしても一つだけに絞ります。
例えば、グリップはセットアップでの問題ですから、グリップを正しくすることはスイングごとに毎回行うようにします。
セットアップしてバックスイングを開始する直前に左手の3つ目のナックルである薬指の付け根が、あなたから見て見えているなら左手のグリップはウィークではありません。
しっかり3つ目のナックルが見えるようにグリップを見直しましょう。
しかし、バックスイングでフェースを開きながらあげている問題を修正することはスイング中の問題ですから、いくつかある中の一つだけに絞って意識します。
スライスを修正するチェックリストの大まかなものは、巻末でリストアップさせていただいたいますのでそれを使ってみましょう。
チェックリストの例としては、バックスイングでフェースを開かない、フォローを高くする、フェースをターゲットに向けてボールヒットさせようすることなどがあります。
ドリルについて、ボールの手前外側にボールの箱を置くなど色々あります。
そして、各チェックポイントやドリルは、一定の球数なり15分ごとなどの時間で入れ替えます。
このようにいくつかのスイング中に修正したいチェックポイントをぐるぐる回して練習することには、脳科学的にいろいろ理由があります。
脳は同じことを繰り返していると飽きてしまいます。
また、チェックポイントが完結しないまま次のチェックに移ることになるため、脳の中では前のチェックポイントが気になります。
そして、ちょうどできそうかな、それともちょっと難しいなと感じることに脳は強く反応して順応しようとします。
そのため、チェックポイントを移すことで、チェックポイントを入れ替えた瞬間に脳は今度はうまくできるかもしれないと期待して、意欲が湧きます。
しかし、しばらくうまくできないでいると、そのできないことに対して飽きてしまいます。
そこで、すかさず別のチェックポイントに切り替えることが、練習効果を何倍にもアップさせてくれます。
そうすると、それまでチェックしていて達成できなかったことが気になりながらも、切り替えたチェックポイントに興味が移って集中してチェックできます。
そして、チェックポイントを切り替えるときに、短い休憩を入れるとさらに良いことが起きます。
しかも何も考えずにぼーっと休憩することで、それまでやろうとしていたことに順応しようとして脳は変化します。
休憩中に色々なことを考えないことが、脳が順応する働きを邪魔しないために大切です。
ただぼーっと何も考えないで、体を休めるようにすれば脳にとって最高です。
スマホの着信をチェックしたり、雑誌を読んだりするのではなく、できるだけぼーっと何も考えないようにしましょう。
コーヒーでも飲むとか、おやつをひとつまみしても良いです。
全体のやり方を見てきたところで、チェックポイントをうまく設定して、切り替えながら練習するために準備することを見てみましょう。
ゴルフのスイングで色々良くして行きたいところは誰にでもあります。
スライスを直したい、パーが取れるようになりたい、3パットを減らしたいなど、改善への欲は尽きないものです。
さらにあやふやなものとして、もっと飛ばしたいというような希望などもあります。
そして、あなたはなんとなく思っていることを次々やろうとしていませんか。
どれもまだ未完成のまま、別のことに浮気していませんか。
この1年を振り返ってみましょう。
ゴルフのスイングやプレーでどんなことが良くなったのか、
一度整理してみるとゴルフの練習のやり方が良かったのかどうか判明して、
次への作戦が見えてきます。
実は、問題点を根本的に修正することは案外難しいことです。
そもそも、どんなことが引き金になって、今気になっている問題が発生しているのかわかっていないことが最大の問題です。
修正したいと思った点を直そうとして、悪い動きをプラスすることでプラスマイナスで一見良くなったように見えることをやってしまうこともあります。
そして、直したいと感じた問題の根本問題を直すことは、1ヶ月に1個直すのが限界ぐらいに考えましょう。
そうすることで、根っこになっている問題は何かを考えるようになります。
簡単に直せるかもしれないと思うことが、悪い動きのオンパレードを誘います。
先ほど、チェックポイントが完結しないまま次のチェックに移ることになるため、脳の中では前のチェックポイントが気になるお話をしました。
これは脳を効率良く使えるためのテクニックの一つです。
それは、「ツァイガルニック効果」と呼ばれる、途中で切られるとなんだか気になる面白い現象です。
テレビの連続ドラマの終盤で、逆転劇が始まりそうな前フリを行って終わることは多いです。
まさに「ツァイガルニック効果」を利用して、また見てもらうことを意図したシナリオとなっています。
人は、完結して丁度良い切れ目になると、興味が薄れます。
しかし、中途半端なところで切られると脳はその続きが気になってしょうがない状態となり、常に途中で切られたことに関して何らかの想像なり考えを巡らせようとします。
そこで、直したい問題が他の問題とどんな関係になっているのかを理解すると、脳科学をうまく使って効率良く改善できる道筋が見えてきます。
直したいと思ったとか気になった問題を、真剣に見つめます。
そうすると、その大元になった問題点や関連する問題も見えてきます。
例えば、スライスを直したいと本気で思ったとします。
そして、今スライスが出ているのはなぜかを考えます。
例えば、グリップがウィークなために、ボールヒットでフェースを閉じなければならないのかもしれません。
また、バックスイングでフェースを開きながら、クラブを手であげているかもしれないです。
さらには、ダウンスイング開始から、いきなり打ちに行っている場合も考えられます。
上半身から打ちに行けば手元は外からインに引きおろす動きとなり、ヘッドはカット軌道になります。
実は、下半身を使おうとしてダウンスイング開始からいきなり腰を回そうとしても、手元が外に出ることになるのでカット軌道になります。
その他、道具とのマッチングの問題なども含めて、単にスライスを見ただけでも多くの要因があります。
多くの問題の中の一つだけが発生しているのかもしれませんし、同時に複数の問題を抱えているかもしれません。
また、スライスの原因を取り除くドリルもたくさんあります。
例えば、ボールの手前外側にボール箱を置いてショットすることもその一つです。
ただこれだけで、ヘッドの軌道が外から入って内側に抜けていたことでスライスを誘発していたことが改善の方向に向かいます。
フォローを高く出そうとすることでも軌道をインサイド・アウトに傾けることで、スライスしやすい軌道を改善できます。
単にスライスを見ても、様々な問題が根っこになっている可能性が見えてきます。
本来は、スライスの根本原因の中で、一番元になっていることから順に修正すれば良いかもしれません。
コーチが近くにいれば、あなたの現状を把握して直すべき問題から修正に入ることもできます。
しかし、一人で練習していると、まず何が問題なのか判断が難しい場合もあります。
例えばグリップなら今すぐにでも直せて、しかもほとんどの方々のスライスの大元になっている原因です。
しかし、トップから打ちに行くことは心の問題ですから、ちょっとやそっとでは直せません。
これらの問題構造を把握すれば、1ヶ月でスライスを直すためにはどの問題なら完全にとは行かなくてもスライスを問題ない程度までに直せるのか見えてきます。
まずは3つ目のナックルが見えるように、グリップを見直しましょう。
そして、バックスイングでフェースを力で開いていないかも確認したいところです。
バックスイングでフェースを力で開いているとしたら、バックスイングのヘッドが腰の高さでヘッドの一番下の部分であるリーディングエッジが垂直に近づきすぎています。
リーディングエッジは上半身の前傾角度と垂直の真ん中ぐらいまでが、フェースを力で開いていない許容範囲です。
ざっくり言って、バックスイングのヘッドが腰の高さでリーディングエッジが上半身の前傾角度と同じぐらいなら問題はありません。
もしフェースを力で開いていたら、バックスイング開始からヘッドが腰の高さまで、フェースをボールに向けたままヘッドを1mぐらいはまっすぐに動かすようにしましょう。
そもそもスライスとはボールが右に曲がることです。
少しだけ右に曲げることはフェードと呼び、ほんの少しターゲットの左ですがほとんどターゲットに向かって飛び出して最後にターゲットに向かって落ちてくるボールです。
スライスでは、左に飛び出してから右に曲がる場合と、右に飛び出してさらに右に曲がる場合に分類することができます。
また、覚えておくことで、ボールの飛び方からスイングを予測できることがあります。
ボールの曲がりはヘッドの軌道に対するフェースの向きで決まり、右に曲がるスライスなら軌道に対してフェースが右を向いてヒットしています。
出球方向はボールヒットでのフェースの向きにかなり依存していて、アイアンなら75%ぐらい、ドライバーなら80%ぐらいフェースの向きに影響を受けて飛び出します。
このことは覚えておくことで、何を変えればスライスの原因を取り除きやすいか判断するための参考にできます。
また、軌道の向きにフェースの向きも引っ張られやすいので、軌道が外から内側に入ってくるカット軌道だとフェースは左を向きやすくなります。
一番多いスライスは、左に出て右に曲がる引っ掛けスライスです。
引っ掛けスライスではほとんどが軌道はカット軌道で、軌道に対してはフェースが開いた状態でボールヒットしていることになります。
今回はスライスの改善を題材に、スイングを修正する道筋を見てきました。
他の問題の解決でも、同じように考えて正しい道順で効率良く問題点を解決しましょう。
おまけ「スライスしないためのチェックポイント」
今回全部解説することはできませんが、一応スライスしないためのチェックポイントやドリルや道具に関係することの一部ですがリストアップしておきます。
略号
(グリップ:GP、セットアップ:SU、バックスイング:BS、ボールヒット:BH、フォロー:FO)
知識:スライスでのヘッドの動きの原理を理解する
GP:左手の3つ目のナックルが見えている
GP:力を入れて形を作らない(力で作った形はスイング中崩れる)
GP:左前腕を右に捻るようにして左手の親指と人差し指を密着
SU:ヘッドをきっちりターゲットに向ける
SU:体の正面から見て体が逆くの字に見えるようにする=左肩が右肩より上になる
BS:リーディングエッジが上半身の前傾角度と垂直の真ん中より閉じる
DS:上半身から打ちに行かないで下半身を先行させる
DS:腰をいきなり回そうとしないで一旦両股関節を入れる
BH:フェースをターゲットに向けてボールヒットさせようとする
FO:高くする
ドリル:BSでフェースをボールに向けたままヘッドを1mぐらいはまっすぐに動かす
ドリル:ボールの箱などをボールの後ろ外側に置いてショット
ドリル:足元だけクローズ
ドリル:インテンショナルフック
シャフト:捻れ剛性があってフェースの戻りが間に合う
クラブ総重量:重すぎない
ヘッド調整:ヘッドのヒール側に2g以下の重りを貼る
では、また。
