SWフルショットの不思議な効果

サンド・ウェッジは練習場で打つとしても、ウオーミングアップでちょこっと打つとか、あるいは全く打たないでいきなりコースで使っていませんか。
実は、サンドを使ってボールを使って、アイアン全体の飛距離アップができます。
どういうことか?

◆アイアン・ドライバーの飛距離アップ

実は、サンドを使ってボールをめちゃくちゃ遠くへ飛ばそうとすると、アイアン全体の飛距離アップができます。

例えば私は、ロフトが58度のサンドを使っていて通常の距離設定は80yとしています。
そこから、100yを飛ばそうとする練習もやります。

それは、アイアンでの最適なダウンブロー軌道や、ドライバーショットでの飛ばすための全身の使い方を身につけることができるからです。
今回は、サンドでどうやって2割増の距離を出そうとするのかとか、なぜ他のクラブでの飛距離アップにもなるのかなどの不思議な効果を見てみましょう。

◆サンド・ウェッジは練習に便利

サンド・ウェッジの小さな振り幅での練習については、私も色々なところでお伝えしています。
サンドではその他にも練習でのさまざまな使い道があり、それを使わないとしたらせっかく良い練習ができるのにもったいないです。

そして、サンドはパターはともかく一番短くてヘッドは最も重く、シャフトのしなりがパターの次に少ないクラブです。
そのため、ショットする全てのクラブの中で、体の動きが最高にダイレクトにヘッドまで伝わります。

また、ヘッドの動きはボールフライトとして反映されます。
これらのことから、サンドでの練習には、良いスイングのための全身の動きを身につける最高の種が満ちあふれています。

◆アイアンが番手なりに飛ばない理由

ところで、アイアンが番手なりに飛ばない理由の第一は、本来のロフトよりも寝た状態でボールヒットすることです。
そして、ロフトが寝すぎるのは、リリースのタイミングが早すぎるからです。
ボールヒットでの実質的なロフトは、飛距離に直結します。

◆どうやって練習すれば良いのか

では、実質ロフトをコントロールして番手なりの飛距離をゲットするためには、どうやって練習すれば良いのかを見てみましょう。

それは、ボールヒットでロフトを出来るだけ立てることで、ボールを飛ばそうとする練習です。
統計的には、ロフト1度につき2~3ヤードの違いとなります。
2割アップの飛距離のためには、ロフトだけならボールヒットで7度ぐらい立てることになります。

しかし、リラックスでのしなりも増やすことで、実際にはそこまでは立てようとしなくても大丈夫です。
強く振ってプラス2割というよりも、本来の設定距離での振りの強さはそのままのイメージで、ロフトだけを意識してショットします。

しかも、セットアップでのボール位置は変えないで、スイングの見た目もほとんど変わらないかもしれませんが、スイングのイメージはかなり違います。
まさに、ヘッドが遅れてついてくる感じで、ボールヒットでは手元がボールの先にあることをかなり強烈に意識してショットします。

セットアップから上半身は最高にリラックスさせて、本当にクラブをやっとで支えているぐらいにすることも重要です。
これはまさにドライバーショットで飛ばしたいときほど、下半身は目一杯ですが上半身は限界までリラックスさせる感じとまったく同じです。

全身を鞭のようにしなやかに使えるようにしておけば、その分、ヘッドは置いていかれて手元とヘッドの遅れの差が大きくなります。
当然、しなりのエネルギーもより多く溜めることができるので、同じ力感で振っているつもりでも振りの速さもアップします。
結局、ロフトを出来るだけ立ててヒットしようとすることだけで、大きなしなりまで手に入ります。
これは、当然長いアイアンはもちろんドライバーショットでもボールを強く打ち抜くことにつながり、全体の飛距離アップとなります。

◆番手間の飛距離を決めている要因

ボールはボールヒットでのフェースの向きに、アイアンなら75%程度依存して飛び出します。
そのため、ボールの打ち出し角度はボールヒットでの実質ロフトにほぼ連動します。

そして、飛距離の差は、先ほどお伝えしたようにロフト1度につき2~3ヤード、そして長さ0.5インチにつき2~3ヤードです。
アイアンセットは通常はロフトは4度刻みで、シャフトは番手間で0.5インチ変化させてあり、トータルで1番手で10〜15yの飛距離の差を出しています。

ところが番手間の飛距離が長いアイアンほど小さくなって、結局7番アイアンも6番も飛距離は同じなんてことも現実には発生しています。

◆強く振ろうとすると実質ロフトが大きくなりやすい

なぜそんなことになるのかと言うと、強く振ろうとすると実質ロフトが大きくなりやすいからです。
番手が長くなって距離が欲しくなると、つい強めに振ろうとします。

また、バックスピンが欲しいので、そういった意味でも強く振りたくなります。
それは、単に長いアイアンは飛ばさなければならない状況で使うことが心理的に影響しているばかりではありません。

長いアイアンほど出球が低いので、バックスピンで浮かせてキャリーを稼ぐ必要があることを本能的に感じるものです。
しかし、結果は、自ら出そうとする力で強く振ろうとするほどリリースタイミングが早くなって、ロフトが本来のクラブ設定よりも寝ることで飛距離が伸びません。

◆振れば誰だって曲がる

そういえば、振れば誰だって曲がることについて、こんな話があります。

ツアープレーヤーにインタビューしていて、「どれぐらいの力感でショットしていますか」という質問をしたところ、次のような答えが返ってきました。
 「8割ぐらいかな。」

当然、質問したインタビューアーはあんなに飛んでいるのにそんな力感は嘘だろうと思ったようで、「まさかそんなことはないですよね」と言っていました。

しかし、聞かれたツアープレーヤーはこう答えたのです。
「だって、8割以上の力で振ったら曲がるでしょ。」

こんな話があるように、ボールを飛ばしたいとか止めたいと思ってがんばって振れば振るほど、本来のグリーンを狙う精度が悪くなってトラブルショットになります。
番手間の飛距離差が長いアイアンほど少なくなるのは、力で振ろうとしてダフりやトップばかりか曲がることで到達する直線距離を損していることも要因としてあります。

◆道具のバランス

ついでながら、今では6番アイアンまでしか入れないで、それより上はユーティリティとかアイアンではないクラブでカバーすることが得策となっています。
強く振ったりしなくても、同じように振るだけでクラブが勝手に仕事をしてくれるほうが楽です。

ちなみに、女子のツアープレーヤーでは、6番より上のアイアンを入れることはまずないし、片山晋呉プロも、アイアンは6番までだったりします。
このようにツアープレーヤーですら、長いアイアンとは決別しています。

その理由は、自分がコントロールするよりもクラブに任せたほうが高い精度でショットできるし、バックスピンのコントロールが長いアイアンほど感覚に合わせにくいからです。
良いスコアーのためには、グリーンに落ちてから早めに止まるほど楽です。
落ちてからのランが多いほどターゲットの手前に落とすことになり、グリーン周りのガードバンカーやラフなどに捕まる確率が高くなります。
また、ターゲット近くに落下したとしても、ランでグリーン奥にこぼれて下りのアプローチなどを強いられることで難しいプレーになることもあります。

そのためには、ヘッドスピードをあげてバックスピンをたくさんかけなければなりません。
しかし、そもそも絶対的なヘッドスピードがなければ、バックスピンはかからずにランが多くなります。
また、止めたいために長いシャフトのクラブを強く振ることは、精度を悪くしてしまいます。

◆フェアウェーウッドは魅力的

ところで、サンドでのロフトを被せる練習も番手なりの飛距離を得るためには効果的ですが、クラブ選択でも楽な作戦を練ることは得策になります。
そして、最近のユーティリティークラブは、ボールは楽に高くあがって高さで止まりやすくなっています。

バックスピンだと吹けあがる軌道が強くなってボールスピードが遅くなってから高くあがろうとすることと空気抵抗が大きいために、アゲンストの風に影響を受けやすくなります。
しかし、同じ高くあがるとしても、ユーティリティーなら出だしから高めの軌道であがって、ボールの勢いがなくなってくる落ち側では低い軌道になります。

アイアンでのバックスピンでの吹けあがりの軌道よりもバックスピンが少ない分、空気抵抗は少なめでアゲンストでも押し戻されにくいことも有利です。
当然、フォローで押される影響も少なくなり、高くあがるとしても、吹けあがる軌道より風の影響を受けにくいです。

ユーティリティーはフェアウェイウッドよりも同じ距離飛ばす場合の、シャフトの長さが短いことも魅力的です。
2007年~2009年に市販された3番ウッド83モデルの長さの平均値は43.3インチ、2007年~2009年の5番アイアン131モデルの平均値は38.2 インチです。
そして、ユーティリティーの長さは39〜42インチです。

また、ユーティリティーの短いほうは5番アイアンをカバーして、長いほうは3番ウッドをカバーするぐらいの飛距離となります。
そう考えると、ユーティリティーは5番アイアンと同じぐらいの長さで簡単ですし、3番ウッドより短くて同じぐらい飛んで楽にスイングできます。
ユーティリティーは好き嫌いと言っているよりも、使いこなすことがゴルフを楽にします。
無駄なリリースを抑えて番手ごとの飛距離を適切にするサンド・ウェッジで飛ばす練習や、クラブセットの見直しで楽しくゴルフをしましょう。

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