重力で振って楽々飛距離UP

今回は「重力で振って楽々飛距離UP」というお話をさせていただきます。
 
スイングは力で振ろうとしなくても、重力を味方に付けることで案外しっかり振れるものです。
そこで、重さを感じて、そのエネルギーを使ってクラブが振られてしまう動きを体験できるためのポイントを見てみましょう。

◆スイングで重力を使えるところ

スイングで重力を使える主なところは次の3つです。

(1)トップに向かう切り返しでのお腹を落として下半身先行で左肩甲骨周りをしならせる
(2)ダウンスイング序盤でコックを入れる
(3)ダウンスイングで両脚で地面を踏んだ瞬間に左大殿筋をしならせる

トップに向かう切り返しで、ヘッドがそれまでの勢いでまだトップに向かっている最中に、右斜め上にあがってきたお腹をセットアップのポジションに落とします。
そうすると、ヘッドと下半身の真逆の動きで、その間に挟まれた左肩甲骨周をしならせることができます。

お腹の重さを感じてそれをセットアップのポジションまで落としながら、左肩周りと手首をリラクスさせることを意識すれば良いです。
また、ダウンスイング序盤でクラブの重さによって親指側へ折れるコックを入れることができます。
このときも、左肩周りと手首をリラクスさせるほど、クラブの重さを利用できます。

◆左大殿筋に重力でパワーを発揮させる

さらに、両腕とクラブに加え、右斜め上にあがってきたお腹をダウンスイングでセットアップのポジションに落としてくることで、さらに重力によるメリットが発生します。

それは、両脚で地面を踏んだ瞬間に、重力で左のお尻の大きな筋肉である大臀筋にものすごいパワーを発揮させることです。
その様子を少し詳しく見てみましょう。

トップではほとんど右脚に乗っています。
そして、右斜め上にあがってきたお腹を落としてくることで腰はゆっくり左にターンして、左脚でも地面を支える力を入れることになります。
左脚が地面に押されることで左股関節は曲げさせられる力を受けることになり、左のお尻の大きな筋肉である左大殿筋は伸ばされてきます。

筋肉は伸ばされながらそれに耐える力の使い方のときに、ヒトは最も強い力を出すことができます。
ということは左脚で地面を踏まされるときに、地面に落ちてしまわないように耐えようとすれば、左脚は大きな力を出すことができます。

例えば歩くときに、股関節には体重の4倍ぐらいの負荷がかかると言われています。
トップにあがったお腹をセットアップまで落としてくることで、左脚には体重の何倍も力がかかります。
それだけの力で左股関節が曲げさせられるのですから、左大殿筋はダウンスイングで大きくエネルギーを溜めることになります。
そして、左大殿筋が伸ばされる速度が速いほど、伸張反射で左大殿筋は勝手に縮もうとします。
伸張反射は筋肉が伸ばされるとその長さの変化に反応して、脊髄からは伸ばされた筋肉に縮めという信号が発せられる現象です。

そのため、落ちてくる上半身を支えようとするだけでも、左脚では大きなパワーを発揮することになります。
そこに左脚を伸ばそうとすることをプラスすると、左脚からは重力によって思った以上のパワーを引き出すことができます。

そして、左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込む方向へ左脚を伸ばすことで、骨盤の左サイドは斜め上にあがります。
そうすると、骨盤はそれまでの前傾角度を維持して左回転します。
骨盤から首の付根までの体幹を一枚の硬い板としておけば、体幹の左回転に対して左肩甲骨は胸の方向へスライドされる形でしなります。

そうすると、体幹の回転が速ければ速いほど左肩甲骨まわりの筋肉には伸張反射が大きく発生して、左肩甲骨を元のポジションまで戻る力が発生します。
そして、左肩甲骨が背中側へスライドする形でしなり戻ることで、左腕が引っ張られます。
そうすると、左手がグリップエンドを引き上げてそこを力点として右腕が支点になれば、ヘッドは作用点となってテコの原理で加速されます。

重力を意識するだけで、サンド・ウェッジで15y(SW15yC)や50yキャリーさせるショットは気持ちよく打てます。
さらに、ドライバーショットでもサンド・ウェッジで50y打つぐらいの上半身の力感に重力で落ちる意識をプラスするだけで、案外ボールが遠くまで飛びます。
まずはSW15yCショットで、体やクラブの重さを意識してスイングしてみましょう。
そうすればスイングは力で振るのではなく、クラブは勝手に振られてしまう感じを体験することができてきます。

◆重力パワーの凄さを数字で見てみよう

重力パワーの凄さを数字で見てみましょう。
上半身が10cm、腕が50cm落ちたらボールが150y飛ぶだけのエネルギーになります。
これが全てボールに伝わるわけではないので、そこまですごいイメージはありませんが。
本当は重力はすごいパワーの持ち主です。

さらに、9.8m毎秒毎秒は重力の強さを表す重力加速度で、物が一秒間落ちたら秒速9.8メートルになります。
これがどれぐらいすごい加速力なのかは、100m走のトップ選手の加速度を見ると分かります。
だいたいですが、100m走の10mまでの数字を見ると2秒ぐらいかかっていて、そのときの速度は7.5m/sぐらいです。

加速度が一定だとして計算すると、ほぼ3.8m毎秒毎秒となります。(加速度=v/t=7.5/2= 約3.8m毎秒毎秒)
なんと重力は誰にでも100mのトップ選手の2倍ぐらいの加速、ある意味2倍のパワーで私達の体を加速をしてくれます。

さらに重力は、速度が速くなっても同じ大きさでどんどん加速してくれます。
そんなずごい重力を味方にできたら、その効果たるや想像を絶するものです。

◆伸張性収縮は大きな力を出せる

筋肉の3つの動きでのパワーの違いを頭で理解しておくことで、パワーを出したいときの体の使い方が納得できます。
筋肉が伸ばされながら収縮しようとすることを「伸張性収縮」と言います。

筋肉の動かし方の分類は他には、筋肉の長さを短くしながら収縮させようとする「短縮性収縮」、筋肉の長さが変わらない「等尺性収縮」があり、3種類に分類できます。
腕の筋肉の使い方で見ると、腕を伸ばす場合は腕の後ろ側の上腕三頭筋が働きます。
そこで、上腕三頭筋に注目すると、腕が押されて曲げさせられるときは「伸張性収縮」となります。
腕で物を押して動かないときは「等尺性収縮」で、自ら力を出そうとして押し動かしているときは「短縮性収縮」です。

そして、力の大きさと発揮するスピードは大きさ順で「伸張性収縮」>「等尺性収縮」>「短縮性収縮」です。
また、大きな力をできるだけ短い時間に発揮するほどボールは爆発的に飛ぶわけですから、ゴルフで使うなら「伸張性収縮」です。
ちなみに「短縮性収縮」の状態とは、例えばトップから自ら出す力で振りにいくようなときの力の出し方になります。
まさにがんばって力を自ら出して物を動かそうとすると、筋肉は縮みながら収縮する「短縮性収縮」となります。
逆に「伸張性収縮」は「受ける力」として表現することもできます。

まさに、押されて押し負けている状態です。
「受ける力」で力を発揮しているときが、最も楽に大きなパワーを発揮することができます。
これは気持ちと裏腹ですが、体の仕組みとしてしっかり頭に入れておくことでパワーを発揮するための体の使い方ができるようになります。

◆「伸張反射」と「伸張性収縮」のダブル効果を利用

さらに、筋肉はしならせてしなり戻すことでじっくりと溜めたエネルギーを一気に解放して大きなパワーを集中的に出すことができます。
その要が「伸張反射」です。

筋肉が引き伸ばされてくると、筋肉の中の長さに対応するセンサーが反応して脊髄に伸ばされたことを知らせる信号が送られます。
そして、脊髄では伸ばされた信号を発したセンサーのある筋肉に向かって、筋肉を縮める信号が発せられます。
この神経の反射反応は「伸張反射」と呼ばれています。

伸ばされた筋肉は勝手に縮もうとします。
この動きは、大脳が関係していないので力を出している感じがしません。

そして、神経の伝達速度を見ると、ざっとした分類になりますが大脳からの運動神経伝達速度 15~40m/sに対して、伸張反射伝達速度 70~120m/sとなっています。
これは伸ばされている筋肉が「伸張反射」で収縮しようとする場合は、自ら縮めようとするよりも2倍以上ぐらい高速に伝わることを示しています。
まさに軽く振ったのに飛んだと言う、誰でも一度や二度は経験のある何とも気持ち良いショットのときが「伸張反射」に誘発された「伸張性収縮」動作です。

◆ボールヒットに向かて、両腿を引き締める

ボールヒットに向かって上半身には下半身の動きでじっくりとしなりとしてのエネルギーを溜めます。
そして、ボールヒット直前で腰から首の付け根である体幹を鋭く左ターンさせることで、左肩甲骨は一気にしなりを多くします。
そうすると、そこに「伸張反射」が発生して、「伸張性収縮」状態でそれまでのしなりのエネルギーを一気に解放します。
この体幹の左ターンの誘発の原動力は、左脚の縦蹴りです。

そして、太ももの骨である大腿骨は、骨盤に下から真っ直ぐに付いているわけではなく、Lの字になって横から付いています。
そのため、腿を内側へ締める動きを行わないと脚は外に倒れてしまい、股関節を伸ばす動きを行う大きな筋肉である大殿筋を上手く使えません。
両腿を締めることを強く意識すれば、両脚は強烈に地面を踏んでくれます。

そのため、ボールヒットで脚をしっかり使えるためには、ボールヒットに向かって左脚を伸ばしながら両腿をキュッと引き締めるイメージの動きをしっかり意識します。
そして、腕とクラブが左に振られると、下半身はその反作用として右にターンさせられる力を受けます。
そのときに右ターンさせられる力を右脚でしっかり受け止めるほど、クラブは鋭く振られてボールが飛びます。

そのときに内転筋が締められていることで、右脚が縦に力を発揮して上半身の反作用をガッチリ受け止めることができます。
右脚はそれまでは自ら力を出そうとするのではなく、この腕とクラブの反作用をしっかり受け止めることに全力を使うことでボールを遠くまで飛ばせます。

内転筋を締める動きは「短縮性収縮」で行うしかないので、腿の内側をキュッと締めることはかなり意識的に自ら力を出して行う必要があります。
体に備わった「伸張反射」や大きなパワーを発揮できる「伸張性収縮」を重力のすごいパワーに連動させてボールを気持ち良く飛ばしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次