今回は「肩を回せの勘違い」というお話をさせていただきます。
よくバックスイングでは胸が振り出し後方へ向くまで、肩をしっかり回すように言われます。
しかし、それには大きな「勘違い」が潜んでいます。
どういうことか?
(続きはビデオにて)
■バックスイングでの本来あるべき動き
まずは、バックスイングでの本来あるべき動きを見てみましょう。
スタンスの幅を肩幅ぐらいまで広げているなら、バックスイングしてトップでは腰は45度以上はターンできます。
そして、左肩甲骨を胸の方向へスライドさせて左肩は振り出し後方に向くまで、角度で言うなら腰に対して45度ぐらい右にターンさせます。
え、だから肩も回すんでしょ、と思いますか。
ところがそれが大きな勘違いで、バックスイングを苦しくしてしまう罠がそこには隠されています。
言葉として肩を回すと言われると、ほとんどのゴルファーはどう動くと思いますか。
そうですね、背骨を右に捻って両肩のラインが右にターンするようにします。
しかし、本来は先程お伝えしたように背骨を捻るのではなく、左肩甲骨を胸の方向へスライドさせます。
そうすると一見体の正面方向から見ると、を右に捻って肩を回しているようにも見えます。
外見上は背骨を捻っても、肩甲骨をスライドさせても、同じように見えます。
しかし、背骨と肩甲骨では動きの本質に大きな違いができます。
そもそも背骨を捻ることは、良いことではありません。
お腹の後ろ側の背骨である腰椎は、ロックされるような構造で捻ることは想定されていません。
腰椎は5本の骨でできていますが、その合計の捻転可動域は平均たったの5度です。
腰椎一本一本は、わずか1度程度しか捻れません。
しかし、背骨を捻ろうとすると、この可動域の少ない腰椎を捻ろうとするものです。
そうなれば、捻れにくいものを捻る動きとなり、苦しいばかりか腰椎に過度な負担がかかり腰痛にもなります。
また、胸の後ろ側の胸椎は12本の骨でできていて、その合計の捻転可動域は平均で35度です。
胸椎はそこそこ捻れる構造ですが、自然後弯と言って前後にカーブを描いて曲がっています。
そのため12本の胸椎のどの部分がどれだけ捻れるかで肩の傾きは変化しますから、精度良く肩をターンさせるには不向きです。
ところが、肩甲骨は背中の上で浮いている骨で大きな筋肉がつながっていますから、動かすにしても最適な方向へパワフルにスライドできます。
分かってきましたか、背骨は捻ろうとしないで固めておいて、左肩甲骨を胸の方向へスライドさせることを強く意識すれば楽にトップまであがります。
肩甲骨周りはセットアップからリラックスさせて、腕とクラブの重さで肩が少し丸くなっている感じにすれば良いです。
そして、セットアップからボールヒット直前まで、左肩甲骨に意識を集中させてリラックスさせてみましょう。
その上半身のリラックス感を維持して、バックスイングでは脚からしっかり動いてヘッドの勢いをつけて、そのヘッドに引っ張られることをイメージします。
そうすれば案外楽に、シャフトが水平になるぐらいまでのトップがつくれます。
■下半身を止める間違い
ボールを飛ばしたいなら、下半身と上半身の捻転差を大きくしましょうとも言われます。
そうすると、下半身を固定したまま腰からか首の付け根までの体幹を右に捻る動きでトップをつくろうとします。
しかし、若くて柔軟性がなければこれではトップは苦しくてしょうがありません。
そして、下半身を止めたバックスイングでは苦しいので、右肘を自ら出す力で曲げてクラブを高く持ちあげようとします。
そうすると、肩甲骨は動かず背骨をもっと捻ろうとがんばります。
■体幹を捻る弊害
また、体幹を緩めなければ捻れませんから体幹の右サイドには右に捻るための力が入り、左サイドは緩めることになります。
しかし、体幹をゆるめてトップまでいくと、ダウンスイングでは体幹は緩んだままボールヒットに向かいます。
筋肉は力を入れようとしてから最大筋力にまで達するには平均して0.4秒かかり、トップからボールヒットまでは平均0.3秒です。
そうなると、バックスイングで体幹を緩めていると、ボールヒットまで体幹は能力一杯まで固めることはできなくなります。
そして、体幹は緩んでいるほど、下半身のパワーを腕やクラブにまで伝えることはできません。
上半身で一番しならせたい部分は肩甲骨周りです。
下半身の動きによる体幹のターンによってヘッドが置いていかれ、その体幹とヘッドの間に挟まれた肩甲骨周りが伸びて大きなエネルギーを溜めます。
肩甲骨周りをじっくりしならせて、そのしなり戻りを使ってそれまで溜めてきたエネルギーを一気に解放することがボールを飛ばす極意です。
体幹が緩んでいては飛ばすためのエネルギーを蓄積すべき肩甲骨が動かず、しなりとしなり戻りでの飛ばしができなくなります。
■バックスイングでの下半身の使い方
バックスイングでの下半身の使い方はすでにご存知のゴルファーも多いと思いますが、おさらいしておきます。
バックスイングでは右足の母指球の少し後ろで地面を踏みながら、右膝を伸ばすことを意識して右脚を長くしていきます。
そして、右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込む方向へ右脚を伸ばすと、右腰は右上にあがってきます。
左脚はバックスイング開始で股関節から先の神経をプッツンと切ったイメージで力を抜き、重りとして使えば左腰は右斜め下である右足つま先方向へ落ちてきます。
このように左右の脚を意識して動かすだけで、腰はセットアップでの上半身の前傾角度を維持して右にターンしてきます。
そして、このように脚を使うならば、スタンスの幅を広げるほど股関節はたくさん入るので脚の伸ばししろが多くなり腰はより大きくターンします。
スタンスの幅を狭めると動きやすい場合は、脚を捻るような使い方をしているからです。
脚を捻る使い方では動きは複雑で、その動作すら言葉では表現できないぐらいです。
そのため、捻る使い方での動きの再現性は悪く、たくさん練習しなければショットも安定しません。
特にパワーの源となる脚は、骨格の方向に対して縦に使うようにしましょう。
曲げた脚を伸ばそうとすれば、縦に使えます。
そして、誰でも高くジャンプしようとするときは、股関節をしっかり曲げて姿勢を低くした状態から脚を伸ばして飛びあがります。
これがまさに脚を縦に使う使い方です。
パワーを出す脚は正しくシンプルに使って、体幹の回転に連動させたいものです。
バックスイングからトップまでは、右脚の動きで言うなら階段を1段登るだけの可動域を使い切るように右膝をしっかり伸ばせば良いです。
階段を普段登っている動きで、バックスイングで右脚も同じように伸ばしてあげて右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込めば、腰は45度以上右にターンします。
バックスイングでも脚を封印してその分体幹を捻るなんて苦しい思いとはさよならして、脚と肩甲骨を正しく意識して使い倒しましょう。
では、また。
