ぶっ飛ぶ人は手首の溜めがすごい

こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は「ぶっ飛ぶ人は手首の溜めがすごい」というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。

体力の割にボールが飛ぶ人のスイングをいろいろ分析すると、ダウンスイングでの手首の溜めがいことが共通点として見えてきます。
ではその手首の溜めとは具体的にどういうものか?

(続きはビデオにて)

■ダウンスイングでの手首の溜め

まずはダウンスイングで手元が肩の高さで、左前腕とシャフトは45度以上あります。
さらに、手元が胸から腰の高さ辺りでもシャフトは垂直ぐらいです。

ところが最近の大型ヘッドドライバーではリリースは早めにと言われ、ダウンスイング早々から手首のコックを解き始めることが言われています。
しかし、それはグリップがウィークすぎるからそうしなければならなくなっています。
その辺りのことも含めて、ボールを遠くまで飛ばせるためのエッセンスを見てみましょう。

■飛ぶための大切な要素

飛ぶための重要なキーワードに「力を集める」があります。
ボールが飛ぶための要素にはボール初速、バックスピン、打ち出し角度、とその元になるヘッドスピード、軌道、打点、ロフト、反発係数、慣性モーメントなどがあります。

そして、もう一つ重要な要素としてミート率があります。
ミート率とは、ヘッドスピードに対するボール初速で、クラブのエネルギーをいかにうまくボールに伝えたかの指標となります。

さらには、ボールは曲がるとその分距離は損をしますから、サイドスピンや軌道と軌道に対するフェースの向きも飛びのための忘れてはならない要素となります。
ヘッドの芯にボールが当たるほど、ミート率は良くなります。

しかし、「ミート率」を良くするためには、もうひとつ大切な事があります。
それは、当たり負けしない事です。
ヘッドスピードが速くても、ボールに当たるときに強く押せなければヘッドのエネルギーはボールにしっかり伝わりません。

■加速させながらボールヒットさせる

では当たり負けが少ないためにはどうすれば良いのか、それはヘッドができるだけ加速しながらボールにヒットする事です。
加速しながらとは、まだまだヘッドスピードが速くなろうとしているタイミングでボールヒットすることです。
それではもったいないというか、加速しきってからボールに当たったほうが得なような気もします。

しかし、しなってそれがしなり戻り始めた直後ぐらいが、ベストのタイミングです。
しなり戻りの直後が急激に加速度が高くヘッドスピードも急上昇しますが、その後はすぐに加速度は落ちて、ヘッドスピードの増加はそれほどありません。
ヘッドスピードによる差はあるとしても、ヘッドが腰の高さぐらいからしなり戻り始め、そこからボールヒットまでは動画で2コマぐらいの15分の1秒程度です。
この短い時間に、ヘッドは平均的に40m/sまで急加速します。

ボールに当てないでそのままヘッドが加速したら、フォローの腰の高さぐらいでヘッドスピードが最大になるイメージです。
しかし、ボールヒットのタイミングからフォローの腰の高さまでのヘッドスピードの増加は非常に小さく、1m/s以下で飛距離に換算するなら5〜6yです。
そして、実際にボールに当たるとヘッドスピードは落ち、ボールヒット直後はほとんど加速しません。

確かに1yでも飛ばしたいので、1m/sはもったいない感じはします。
しかし、それよりも大きな加速度で当たり負けしにくくして、ボールヒットでのヘッドスピードの低下を抑えることで飛ぶ要素のほうが大きくなります。

■力を集める

では、実際の体の動きとしては、どんな感じでボールヒットすると良いのでしょうか。

それは、ボールをできるだけ引きつけてクラブをリリースすることです。
最悪なのは、トップから最大加速させようとする動きです。
この動きは「ヒット・フロム・ザ・トップ」などとも言われます。

トップからいきなり思いっ切り振ると、ボールヒット前に力尽きて減速状態でボールヒットしてしまいます。
また、ダウンスイングの軌道が大きく狂って、打点も狂いやすくもなります。
いずれにしても、最大飛距離のためには、ボールヒットに向けてエネルギーを集めるようにすることがものすごく大切です。

■手首のタメ

実際に力を集める動きとはどんな動きかとなると、それは手首が親指側に折れるコックを溜める事です。
左肩と手首をできるだけリラックスさせて、ダウンスイングでは手元を真下に落としてくるようにすると、自然にうまくコックを溜めることができます。
コックは単に手首が親指側に折れることではありません。

コックが深くなるほど、上半身のしなりとしての左肩甲骨が胸の方向へスライドします。
そして、手元が胸の高さ辺りまでは体幹をゆったりとターンさせ、コックをどんどん深くします。

そして、手元が胸の高さぐらいに落ちてくると両脚で地面を踏めてくるので、そこから脚を使って一気に体幹をターンさせます。
そうすると、体幹の回転に対して手元とクラブが置いていかれることで、それまで深く入ったコックが右手甲側へ折れるヒンジに変化してきます。

コックでは骨格の構造でフェースは開きますが、ヒンジではまさにフェースは軌道を向いたままです。
そのため、コックがヒンジに比較的ゆっくり変化する間にフェースは軌道方向を勝手に向いてきます。
とにかくこのときに左肩と手首の余計な力を入れないで、右腕が支点になるようにシャフトに押された分だけ押し返していれば良いです。

ここで右腕が支点とはどういったことか。
コックを入れるときに右腕を支点とすると、ヘッドの動きでグリップエンドが動いて左腕を引っ張って左肩甲骨が胸の方向へスライドします。

左肩と手首は可能な限りリラックスですが、右腕はテコの支点として押された分だけ押し返すことが、深いコックのために重要な上半身の役割分担です。

この上半身の各パーツの役割分担ができるほど深いコックがヒンジに変化して、ボールヒット直前に左肩甲骨のリリースでヒンジが解放されてヘッドは急加速します。

急激なヒンジのリリースでシャフトも限界までしなって、それがしなり戻ることもヘッドの加速に追い討ちをかけてくれてボールは遠くまで飛んでいきます。

■下半身のタメ

上半身をうまくしならせるためには、下半身の動きも重要です。
トップからは右脚は自らはあまり動かそうとしないで、両脚で地面を踏めるまで静かに動きます。

バックスイングで右に動いていた左膝をセットアップの位置に戻しながら両股関節を入れて、あたかも両脚ジャンプ前のイメージで動きます。
両脚ジャンプのような体勢ができた辺りでは、理想的には手首のコックの深さは最大の状態です。
ここから左足母指球の少し後ろで地面を踏んで一気に左脚を伸ばして、左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込みながら両腿をキュッと締めます。

そうすると体幹は急激にターンしてきて、その分ヘッドが置いていかれることで
上半身のしなりがピークに達します。
そして、下半身がターンする力のピークに達すると、下半身の力よりも上半身がしなり戻ろうとする力が上回り一気にリリースが始まります。

さらに、上半身のリリースでシャフトがしなり、それがしなり戻りながらボールに向かってヘッドが突進します。
これが、「力を集める」動きです。
そして、飛ばし屋ほど、この動きをしっかり行っています。

■リリースということ

ここで、クラブをリリースするとは、どういったことかを見てみましょう。
例えばボールを投げるとき、腕が伸びた状態でボールを投げても遠くまで投げることはできません。
腕を伸ばした形では、腕がリリースされた状態でボールを投げていることになります。
ところが、ボールを手から離す直前まで腕と手首を曲げてまさにリリース直後ぐらいに投げると、ボールは遠くまで投げられます。

ゴルフでも、リリースが早すぎるとボールは飛びません。
要するに、上半身が完全にしなり戻ってからでは、ボールヒットに力を集めることはできないからです。
同じ量のガスでも、ガスコンロでチョロチョロ燃やしては何も吹っ飛びません。
一気に火をつけることで、爆発して周りの物が吹っ飛びます。

飛ばしたいなら左肩甲骨が胸の方向へスライドしてできるヒンジや、右腕が曲げされられた形が残っている状態でヒットさせます。
まさにリリースされている最中にボールヒットすることで、ヘッドがボールに当たり負けしにくく、フェースの向きが安定してさらにボール初速があがり飛びます。
飛距離やスコアとリリースのタイミングは連動しています。

リリースを遅らせて力をボールヒットに集めることが出来るようになるほど、ボールコントロールができ、さらにボールは飛びます。
トップからいきなり振りに行くと、軌道も不安定となるためボールコントロールは難しくなります。
車でカーブを曲がるときと同じで、ダウンスイング開始となるヘッドがまだゆっくり動いているうちにクラブを良い軌道に乗せてしまえばコントロールは簡単になります。

■大型ヘッドドライバーとリリース

大型ヘッドドライバーほど早い段階でリリースを始めるとも言われますが、それはグリップがウィークすぎているからです。
正しいグリップならリリースを早める必要がなく、その分ボールに力を集めて飛ばせます。
その最たる証拠は世界ドラコン2連勝のジェイミー・サドロウスキーに見ることができますのでYouTubeなどでスイングを見てみてください。

彼らは規定限界の大型ヘッドで、しかもやはりルールいっぱいまでの長いシャフトで飛ばしています。
大型ヘッドでは慣性モーメントが大きいためにヘッドが回転しにくいため、ボールヒット直前に前腕を捻ってフェースの向きをターゲットに向けようとしても戻りにくいです。
そのため、グリップがウィークだとダウンスイングで手元が胸の高さ辺りまでにはフェースを閉じる動きを行わなければなりません。

トップですでにフェースを閉じようとすると、シャフトが水平のときにシャフトが右を向くシャフトクロスになります。
そして、フェースを閉じようとすると、同時にクラブもリリースされてしまいます。

ところで、コックや右肘を曲げると骨格の構造でフェースは開いてくるので、トップではフェースはある程度は開きます。
そして、ダウンスイングで体の回転でヘッドが置いていかれると、親指側に折れるコックが段々右手甲側に折れるヒンジに変わってきます。
そして、グリップが正しければ、ヒンジではフェースはセットアップでの向きになります。
ところがウィークすぎるグリップでは、クラブが遠心力で引っ張られたときに、左腕が右に捻れるためにフェースが軌道に対して開いてきます。

腕は伸ばすと内側に捻れます。
これは、前腕の筋肉が腕を斜めに走っているからです。
遠心力で引っ張られた状態でフェースがターゲットを向くようにセットアップからグリップをつくっておけば、ボールヒットに向かって力でフェースを閉じる必要はありません。
そうすれば、大型ヘッドでもリリースを早める必要はありません。

セットアップしてバックスイング開始直前の状態で、自分から見て左手の3つめのナックルである
中指の付け根の関節が見えているならウィークではありません。
グリップを正しくしてどんどん手首を曲げる溜めをつくって、能力の限界まで遠くへボールを飛ばしましょう。

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